脱炭素化を推進する東芝、独自のインフラ転換サポートで再生エネ事業を拡大

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オンライン会見で再生エネ事業拡大を打ち出す車谷社長

脱炭素へインフラ転換を支援

東芝は2030年度までに温室効果ガス排出量を19年度比で50%削減する。そして、50年度までに同80%以上の削減を目指す。グループ全体の事業活動のほか、販売する省エネルギーな製品・サービスによる貢献も含む。11月に策定した「環境未来ビジョン2050」で長期目標を打ち出した。車谷暢昭社長は「2度C未満目標に即した脱炭素化では、石炭火力発電所建設工事の新規受注を停止し、30年度までに東芝のバリューチェーンを通じた温室効果ガス排出量を50%削減する」と強調する。

世界的に逆風の吹く石炭火力事業を縮小する一方で、「事業を通じた東芝ならではの取り組みとして、脱炭素を実現するインフラ転換のサポートを行う」(車谷社長)と再生可能エネルギー関連事業を拡大させる。東芝の予測によると、今後10年間で必要になる国内再生エネ関連投資は50兆―80兆円に上り、そのうち60%が再生エネ発電の増強、残る40%が系統対策・蓄電に充てられる。

東芝は成長市場をにらんで、22年度までに再生エネ関連で計1600億円を投資する計画だ。その結果、25年度に再生エネ関連事業の売上高を同84・2%増の3500億円、30年度に同3・4倍の6500億円へ引き上げる。太陽光や風力発電システムのほか、仮想発電所(VPP)や水素エネルギーなど新規分野の成長も見込む。

車谷社長は「再生エネ関連の多くのトップシェア事業で総合的にカーボンニュートラルを支援する。具体的に言えば、メガソーラーと水力で国内トップ、可変速揚水発電で世界トップ、地熱用の発電タービンでも世界トップクラスだ」と胸を張る。

今後実用化が期待される二酸化炭素(CO2)分離回収技術でも、福岡県大牟田市のバイオマス発電所でCO2分離回収実証設備の運転を始めた。火力発電において1日のCO2排出量の50%以上を回収できる設備は日本で初めてだという。

福岡県大牟田市の発電所で運転を開始した大規模CO2分離回収実証設備

日刊工業新聞2020年12月1日

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