東芝が5G対応の「分散型アンテナシステム」開発へ、製造現場を高度化

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東芝は第5世代通信(5G)対応の分散型アンテナシステム(DAS)を開発する。5Gを地域限定で使うローカル5Gの免許を取得して自社工場で実証実験を行い、2022年度の製品化を目指す。製造現場の高度化は次世代通信の主要用途だが、工場内では障害物が電波を遮ってしまうなどの課題が生じやすい。基地局からの電波を光ケーブルで分配するDASの需要が今後高まりそうだ。

東芝子会社の東芝インフラシステムズ(川崎市幸区)が10月中に主力の府中事業所(東京都府中市)を対象としたローカル5Gの免許を総務省に申請する。当初は9月の申請を予定していたが、社内手続きなどで遅れたもよう。20年内の免許取得を見込む。

そこでDASを活用して工場内での5G環境構築を実証する計画。高速大容量や低遅延、同時多数接続が5Gの特徴だ。現場で稼働するロボットや無人搬送車(AGV)、カメラなどを5G網経由で即時制御し、“スマートファクトリー”を実現できる。ただ、既存工場の複雑なレイアウトが基地局から来る電波の障害物となるほか、敷地外へ電波が漏えいするセキュリティー問題も新たに浮上する可能性がある。

東芝はDASが製造現場での5G利用の課題を解決できると期待する。工場以外でも、ビルや地下などの屋内、駅やスタジアムなどの屋外環境における通信エリア拡大に貢献できそうだ。

5G対応のDASはまだ実用化されていない。東芝は4G(第4世代通信)までのDAS事業で培った技術ノウハウを生かし、新製品開発を急ぐ。20―23日にオンライン開催される家電・IT総合展示会「シーテック2020オンライン」で、DASソリューションなどを出展する。

日刊工業新聞2020年10月20日

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