その特許情報はSDGsに該当するの?グーグルのAI技術活用で判別
日本特許情報機構(Japio)は、特許情報が国連の持続可能な開発目標(SDGs)に該当するかを分析する技術を開発した。人工知能(AI)を用いて特許情報を読み、特許がSDGsに関連する場合、SDGsの17目標に分類できる。今後はこの技術を活用して、SDGs関連技術の所有数による企業格付けを行うなど、指標を提供することで、ESG(環境・社会・企業統治)投資を後押しする。
Japioによると従来、SDGs関連技術がどの国にどの程度あるのか不明だった。AIによる分析結果は、国の政策判断の材料にもなりそうだ。
米グーグルのAI技術「BERT(バート、自然言語処理技術)」を活用した。文脈を理解できるAIで、文章分類などに応用できる。SDGs17目標に対応した分類器を導入し、SDGsに関連する文章を読ませてAIに学習させた。将来は特許がSDGs17目標のどれに該当するかを検索できる有料サービスを検討している。
日本で2010年以降に出願された特許の公開公報は約250万件。分析によって、このうち約240万件がSDGsに関連していた。特に目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」と目標3「すべての人に健康と福祉を」に貢献していた。
諸外国も同様の傾向がみられたが特に、ドイツや中国は環境に関連する目標にも注力していた。近年は目標3と目標11「住み続けられるまちづくりを」を進める国が多いことがわかった。
日刊工業新聞2020年11月27日