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介護人材がユーチューバーに?外からは見えない仕事の面白さ伝えて

介護人材がユーチューバーに?外からは見えない仕事の面白さ伝えて

「ハミスク」での動画の発表会

介護の仕事とは―。きつい、つらいといったイメージのみで捉えられがちな介護業界で、関西の介護人材がユーチューバーとなり、面白さや深さを発信する取り組みを始めた。高齢化社会の加速により約38万人の介護職員不足が見込まれる2025年問題が刻々と近づく。1990年代後半から00年代に生まれたZ世代と呼ばれる層に訴求し、新たな仲間作りにつなげる。(大阪・坂田弓子)

「施設内は外から見えず、怖かった」と就職前の心境を語り、実際の現場を知らないことが介護業界への就職の壁につながることを指摘するのは介護援助員の和田宜浩さん。「今は、利用者とのコミュニケーションが楽しい」と語る。

製作した動画は、新婚の自身が直面した嫁姑問題で「どちらにつくべきか」を施設内にいる“人生の達人”に聞いて回ったもの。「アドバイスないわ。そういうもの」とバッサリ切るおばあさんがいるかと思えば、「そりゃ嫁よ。でないと離れていくよ」と怖い予言をするおばあさんも。経験から来る言葉なのか重みがある。

一方、元福祉施設広報担当で現在はNPO法人に勤める岡崎由利さんは、介護士の細やかな気配りと言動は対女性への「モテテク」にも通じることに着目。エレベーターのドアをあけて待ってくれたり、目を合わせて話したりする介護現場での男性介護士と利用者との日常を動画にまとめ、“女性から見たキュンキュンポイント”として紹介している。

また「徘徊(はいかい)」や「弄便」などをテーマに被介護者の気持ちや対処を、複数の介護士たちが経験をもとに語る「ケアペディア」など、動画はさまざまな切り口で複数製作されている。

同取り組みの主催は、医療・介護・保育業界への人材紹介・派遣サービスを手がけるトライト(大阪市北区、笹井英孝社長、06・6365・1151)。半歩はみ出した明るい情報発信ができる介護人材育成を目指したスクール事業「ハミスク」で実施した。月内にもユーチューブでチャンネルを開設し、順次動画をアップする計画だ。

介護に限らず、仕事は実際に携わる人しか知り得ない魅力がある。動画を使った現場からの発信は、サービス業、製造業問わず参考にできそうだ。

“女性から見たキュンキュンポイント”(ハミスク提供)

日刊工業新聞2020年11月27日

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