女性社員の復職率は100%!河村電器産業が挑む「働き方そのものの改善」

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生産性向上に向けてQRコードで製品担当者の連絡先を明確化

河村電器産業(愛知県瀬戸市)は、河村幸俊会長が先陣を切り、働き方の見直しと生産性向上に向けた改革に取り組んでいる。2018年に働き方改革委員会を発足し、河村会長が委員長に就任。制度だけでなく、給与や教育の改革にも着手した。「働き方そのものの改善」を急ぐ。(名古屋・浜田ひかる)

河村会長は働き方改革を自ら率先して行う理由について「直近で解決すべき問題ではないが、将来大きな課題となる問題だからだ」と力を込める。河村電器産業の働き方改革は「女性が活躍できる会社づくり」から始まった。

女性社員の採用数を増やす一方、制度も刷新した。新たに女性の場合は年15日取得できる「健康休暇」や1時間単位で有給が取得できるなど、育児や介護を両立できる仕組みを整えた。出産や入学の祝い金も充実させた。その結果、女性の復職率が「ほぼ100%となった」(河村会長)と力説する。

次に目を付けたのは残業だ。仕事のやり方を見直し、19時までは課長、20時までは部長の承認を必要とした。パソコンの電源も20時で自動的に切れるように設定した。これにより、会社全体で「残業しない風土」を作り上げることに成功した。

残業時間を減らすため、顧客にも協力を仰いだ。20年度から顧客からの支払いを電子手形や振り込みに全面移行した。河村会長は「手形を取りに行くためだけに顧客を訪問するのは生産性低下の要因だ」と一蹴する。

また、長年の課題だった担当者の「たらい回し」問題にも着手。担当者の連絡先を表示する2次元コード「QRコード」を用意し、商品ごとに連絡先を明確にした。今後は社内アプリケーション(応用ソフト)を作成する計画だ。

働き方改革の一環で総務や経理、広報など管理部門を同じフロアに集約

一連の取り組みで19年度は生産性が大幅に向上した。16年度と比べると「3割アップした」(河村会長)。成果は給料で還元する。3カ年ごとに従来の昇給に加えて付与する仕組みを新たに整えた。

教育面では同社専用の「課長の教科書」を出版した。新たに課長に就任した人や、課長職を目指す人材に配った。人事権や予算が付く権限の分岐点に位置する課長に対し、「指針となるなにかが必要だ」(同)と考えた。「はじめての課長の教科書」の著者でリクシス(東京都港区)副社長の酒井穣氏の協力を受けて完成させた。

河村会長は「課長は会社の要だ」と強調する。さらに課長から経営会議に参加できるため、課長を育てることが重要だと説く。今後は「経営者の教科書」も出版する予定だ。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、テレワークが活用されるようになったが「働き方改革の面でもよい方向に導いてくれた」(同)。一方で社内コミュニケーションの課題も浮上。河村会長は「コアなコミュニケーションをどのように会社としてコントロールするかが次の課題」として新たな施策を検討している。

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働き方改革 女性活躍

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