5G商戦で勝ち抜くぞ!ITベンダー各社で「共創拠点」相次ぐ

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NESICは5Gラボのほか基地局建設のための訓練用鉄塔を設置

第5世代通信(5G)商戦に向けて、国内外の情報通信技術(ICT)ベンダーが実証実験や技術検証などを担う共創拠点を相次ぎ開設している。12日にはNECネッツエスアイ(NESIC)が技術者育成拠点である基盤技術センター(川崎市幸区)内に「5Gラボ」を開設。海外勢ではシスコシステムズ(東京都港区)が5Gの「ショーケース」を本社内に立ち上げた。5G商戦では企業向けソリューションが本丸となり、まずは客先との共創に向けた場づくりで競う展開だ。(編集委員・斉藤実)

NESICは5Gを地域限定で利用できる「ローカル5G」に照準を合わせ、「デジタル変革(DX)サービス×5G」によるビジネスモデルを構築する。スマート防災システムや地域サービスプラットフォーム(基盤)、都市型スマートビルディングを中心に「今後3年程度で年商300億円を目指す」(中川貴之執行役員)。

同社の強みはライセンスバンドであるローカル5Gの免許申請から、各種設計、構築・施工、保守・運用まで一括してサポートできること。ラボ開設を機に、ローカル5Gの商用サービス開発に向けて、客先との実証を本格化する。

シスコはローカル5Gも含む5Gネットワーク環境をエンドツーエンド(両端)で結ぶ高信頼のソリューションのデモや実証実験を客先とともに行う場として「5Gショーケース」の運用を始めた。

シスコの5Gショーケース

シスコの技術者が概念実証(PoC)をサポートし、オープンンラボとしての機能も備える。通信事業者の商用インフラと企業ネットワークをシームレスに組み合わせることで「実際に社会に存在するネットワークのレプリカ(複製)のようなものをつくり上げる」(シスコ)。これをベースに、客先はもとよりパートナー各社と連携し、低遅延、高信頼、多数同時接続といった5Gの特性を生かしたアプリケーション(応用ソフト)提供などでエコシステム(協業の生態系)を築く。日本から世界にイノベーションを発信する場としての役割も視野に入れる。

シスコの中川いち朗副社長は「5Gはバーチャルとリアルを融合して、新しいビジネスの価値を創造できる。接続性などを価値とする第4世代通信(4G)への期待とは一線を画す」と指摘。5G商戦に向けて「ユースケースを通して、医療や車、工場、街づくりなどで、あらゆる産業や社会に価値を提供し、かつてない新しいビジネスやサービスを実現したい」と期待を述べた。

日刊工業新聞2020年11月13日

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