「サンガスタジアム」が5G環境整備、KDDIがスマホで応援支援
スマホタップで選手応援
KDDIは、京都パープルサンガ(京都市下京区)と連携し、サッカーJ2の「京都サンガFC」のホームスタジアム「サンガスタジアム」(京都府亀岡市)に第5世代通信(5G)環境を整備した。スマートフォンで疑似的に声援を送れる機能などを搭載した京都サンガ公式アプリケーション(応用ソフト)も10月に提供開始。サポーターの一体感を醸成し、コロナ禍での試合観戦を盛り上げる。
熱量届ける試合前にスタジアム内のサポーターがアプリ画面をタップし続けると、サポーターの応援・熱量がスタジアム内の大型ビジョンやLEDパネルにリアルタイムで届けられる。タップ数に応じてゲージがたまる様子や、クラブの象徴である不死鳥がふ化してチームのエンブレムを形作る映像が映し出される仕組みだ。
感染リスク軽減のため入場者数が制限され、声援などの応援も禁止される中、従来通りの熱量で応援することが難しい。「サポーターの一体感を出すための参加型コンテンツとして提供している」と繁田光平5G・xRサービス戦略部部長は説明する。
飲食物を注文スタジアム内で販売する飲食物の事前注文機能も搭載した。混雑する時間帯も列に並ばずに注文品を受け取ることができる。最寄り駅であるJR亀岡駅周辺とスタジアム出入り口に設置したカメラ映像を人工知能(AI)で分析し、混雑状況を可視化する機能も提供している。
ARも検討アプリは5Gスマホでの利用を推奨するが、4Gでも利用できる。今後は自由視点映像や複合現実(AR)など5Gの高速大容量、低遅延、同時多数接続といった特徴をフル活用したサービスも検討。まずはコロナ禍でのニーズに対応し、「(動画配信サービスやテレビで視聴する)オンラインでの観戦者も参加し、現地と変わらない応援ができる」(繁田部長)機能の提供を計画する。5Gエリアの拡大に伴い、連携するスポーツチーム数も増やす方針。イベントの開催制限が続く中、通信を活用した新たなスポーツ観戦の形が広がりそうだ。(苦瓜朋子)