電気機器の4ー9月国内生産は10%減の2.4兆円、重電と白物で明暗のワケ
日本電機工業会(JEMA)が発表した電気機器の2020年度上期(4―9月)の国内生産額は、前年同期比10・5%減の2兆4043億円だった。重電機器は新型コロナウイルス感染拡大による設備投資の抑制が響き、白物家電は生産金額の多い品目が前年同期を下回った。下期(10―21年3月)は重電機器が引き続き前年同期を下回る見通し。
国内生産額の内訳は重電機器が前年同期比12・8%減の1兆4127億円。ほとんどの機種の生産額が前年同期を下回った。発電所向け機器と比べて、産業用汎用機器の回復が遅れる見通し。19日に都内で会見したJEMAの浜崎祐司会長(明電舎会長)は「感染者が増える状況では産業向けがさらに厳しくなる」と、感染再拡大による下振れを警戒した。
白物家電は生産額が同6・9%減の9916億円。出荷額は同0・8%減の1兆3696億円だった。コロナ禍の悪影響と消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減が重なったが、在宅時間の増加や政府による特別定額給付金の支給が金額を下支えした。
消費税率引き上げの影響で前年同期の水準が低く、20年度下期の白物家電は生産額・出荷額ともに上回る見通し。堅調な巣ごもり消費や世帯数の増加を背景に需要は底堅いと見ている。
10月の白物家電の国内出荷額は、前年同月比22・7%増の1797億円で3カ月ぶりのプラスとなった。10月としては過去10年のうちで最高額だった。
日刊工業新聞2020年11月20日