スバル系の実力サプライヤー、外装部品納入の決め手になった新技術がスゴい!
アニール処理を行わず品質を維持、部品費最大3割減
【さいたま】リードは、自動車用外装部品で熱に伴う収縮変化を防ぐアニール処理を行わず品質を維持できる技術を確立した。材料メーカーと開発した収縮変化に強い材料を用いて工程を短縮し、部品費を15―30%削減する。2021年度中に適用部品の量産を始める予定で、主要顧客であるSUBARU(スバル)に納入する。生産性向上とともに、環境に配慮した工程づくりで競争力を高める。
車の外部を飾るガーニッシュなどの樹脂部品に同技術を適用する。樹脂素材は熱や経年で収縮し、寸法が変わりやすくなる。そのため100度Cで30分間焼き入れし、いったん収縮させるアニール処理でその後の寸法安定性を高めてきた。
リードでは樹脂材料の成分や配合に工夫を施して収縮変化に強い材料を開発。アニール工程を経ずに樹脂成形を経て出荷できるようにした。焼き入れする人や炉、治具などが要らず、電力消費量も削減できる。アニールレスの部品は、スバルの次期車種の一部に納入する予定。
岩崎元治社長は「アニールレスの部品で実績ができれば他の車種や部品にも展開し、コスト競争力を高めていきたい」と、アニールレスの拡大も検討していく考えだ。
リードは、スバル関連が売上高の9割を占める。新型コロナウイルス感染拡大で4―6月の工場稼働率は低調だったが、スバルの生産回復にあわせ、7月から昼夜の2直操業に切り替えた。10月までに売上高で前年同月の9割まで戻している。
日刊工業新聞2020年11月20日