自動車大手4社、世界販売見通しを上方修正。想定以上の回復の理由

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乗用車7社の通期見通し、4社上方修正

自動車メーカーの販売に回復の兆しが出てきた。トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、SUBARU(スバル)の4社は2021年3月期の世界販売見通しを上方修正した。中国や北米の新車需要が新型コロナウイルスの影響による落ち込みから想定を上回るペースで回復する。ただ先行きはコロナの感染再拡大など不透明で、「ひとつきずつ台数を積み上げながらという状況は変わらない」(近健太トヨタ執行役員)。

7社合計の21年3月期の世界販売は前期比11%減の2360万台となる見込み。トヨタの20年4―9月期は中国販売が前年同期比約2割伸ばすなど全体をけん引。グループ総販売台数は世界で同約2割減まで持ち直した。今後の世界販売は10―12月期が前年と同等、21年1―3月期は同5%増と予想。21年3月期のグループ総販売台数は8月公表比32万台の上積みを見込む。

ホンダも中国販売が7月から3カ月連続で単月として過去最高を更新。新車効果などで回復需要を着実に取り込み市場の伸びを上回った。21年3月期の世界販売は8月公表比10万台の上振れを計画する。倉石誠司副社長は「中国で前年度を上回る販売を目指す」と強調した。

米国ではスバルが9、10月の販売が単月として過去最高を記録。北米市場の販売回復は従来見通しを上回る。ただ中村知美社長は米国でコロナの影響は続いているとし、「新車販売の本格回復に向けた状況は不透明であると言わざるを得ない」と慎重な見方を示す。

日産は21年3月期の米国販売見通しを7月公表比1万台増の95万台(前期比23%減)に上方修正した。同国ではレンタル業者などのフリート向け販売を絞るなど収益重視の構造改革を推進。4―9月期のフリートを除く販売台数では「毎月確かに伸びている」(アシュワニ・グプタ最高執行責任者《COO》)と手応えを感じている。

アジアではインドでスズキの販売が回復。4―6月期は前年同期比約8割減となったが、7―9月期はエントリーカークラスの需要を着実に取り込むなど同2割増まで挽回した。ただ鈴木俊宏社長は「今後、インドで10―12月期の好調さが維持できるかを含め非常に不安定な状況」と指摘。21年3月期の同国販売は前期比20%減と慎重な見通しを示す。

三菱自動車はインドネシアなどでコロナの影響が続くと予想。21年3月期の販売台数見通しを東南アジアで7月公表比2万台減の21万台(前期比27%減)、中国で同3万台減の9万台(同25%減)に引き下げた。ただ一部車種で在庫が不足し、日本とタイで増産体制を構築。加藤隆雄最高経営責任者(CEO)は下期に向けて「挽回があるのではないか考えている」と述べた。

日刊工業新聞2020年11月18日

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