ニュースイッチ

機械設計者は必見! PLCの基礎知識と制御プログラムを学び直そう

月刊誌「機械設計12月号」の特集は「具体例から学ぶPLC制御プログラム入門」です。 機械設計者向けにプログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)の基礎知識と、機械装置の構造によってどのようにPLCの制御プログラムが作られているのかが分かるように、フロー図や配線図、プログラムなどの具体例を示してやさしく解説。特集は4章構成で、全章を新興技術研究所(東京都世田谷区)の熊谷英樹専務が執筆しました。

 第1章ではPLCの構成や演算などの基礎知識、第2章ではタイマ・パルス・自己保持回路の使い方を紹介し、第3章ではイベント制御型、状態遷移型の順序制御プログラムを解説しています。第4章では具体的な制御プログラムの作り方を説明しました。機械設計者がプログラムの作成方法を理解していれば、機械と制御の両面からのアプローチが可能になります。

PLCの構成と入出力ユニット

PLCにはベースユニット,電源ユニット,CPUユニット,入力ユニット,出力ユニットなどのユニットがあり,図1のように組み付けて使用します。機種によってはベースユニットがなく,ユニット同士を直接連結できるものや,電源とCPU,入力,出力がパッケージになった一体型のものもあります。

装置のスイッチやセンサなどの入力機器はPLCの入力ユニットに接続し,ランプやリレー,ソレノイドバルブなどは出力ユニットに接続します。図1はPLCの入力ユニットのX0とX1の端子にスイッチSW₀とSW₁を接続し,出力ユニットのY10とY11端子にランプLP₀とLP₁を接続した例です。スイッチSW₀をONにすると,PLCプログラムの中のX0の接点がONになり,プログラムでY10のリレーコイルをONにするとランプLP₀が点灯します。

図1 PLCの構成

図1 の構成を電気回路のシンボルを使って簡易的に配線図にしたものが図2のPLC配線図です。本稿ではこの簡易的な配線図を使うことにします。

PLCのプログラムが例えば図3のようになっているとしてみましょう。

入力リレーX0 とX1 の接点はスイッチSW₀とSW₁でON/OFFするので,入力リレーのコイルはプログラム上にはありません。このプログラムの1行目を見ると,X0がONになったときに出力リレーY10のコイルがONになるように書かれています。X0はスイッチSW₀に,Y10はランプLP₀に配線されているのでSW₀を押すとLP₀が点灯することになります。

2行目ではY10のb接点が補助リレーM1のコイルにつながっているので,Y10 のコイルがOFFのときにM1のコイルがONになります。3行目ではX0 とX1 のOR接続になっているので,X0 とX1 の少なくとも一方がONになるとM2 がONになります。4 行目は,M1 とM2 のAND接続なので,M1 とM2 の両方のコイルがONのときに限ってY11 のコイルがONになってランプLP₁が点灯します。

図2 PLC配線図(簡易回路図)
図3 PLCのプログラム例

<雑誌紹介>

雑誌名:機械設計2020年12月号
 編著者名:熊谷英樹
 判型:B5判
 税込み価格:1,540円

<販売サイト>
Amazon
Rakutenブックス
日刊工業新聞ブックストア

<執筆者>
熊谷 英樹(くまがい ひでき)
1981年 慶應義塾大学工学部電気工学科卒業。
1983年 慶應義塾大学大学院電気工学専攻修了。住友商事株式会社入社。
1988年 株式会社新興技術研究所入社。
現在、株式会社新興技術研究所専務取締役、日本教育企画株式会社代表取締役。山梨県産業技術短期大学校非常勤講師、自動化推進協会理事、高齢・障害・求職者雇用支援機構非常勤講師。

<特集目次>
第1章 PLC制御の基礎知識
PLCの構成/PLCの演算/I/Oメモリ/自己保持回路/タイマの使い方/パルス信号/パルスの使い方

第2章 タイマ・パルス・自己保持回路の使い方
PART1 タイマを使ったPLCプログラム
PART2 パルス命令を使った制御プログラム
PART3 自己保持回路を使った制御プログラム

第3章 イベント制御型と状態遷移型の順序制御プログラム
PART1 イベント制御型の順序制御プログラム
PART2 状態遷移型の順序制御プログラム

第4章 自動機の制御プログラム
PART1 部品供給装置の制御プログラム
PART2 コンベヤ搬送装置の制御プログラム
PART3 インデックス搬送型装置の制御プログラム

編集部のおすすめ