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子育て支援に教育を…学童保育でプログラミング

子育て支援に教育を…学童保育でプログラミング

カリキュラムの枠に押し込めず、子どもたちの興味・関心を最大限に発揮できる環境を提供(グルーヴノーツ提供)

小1の壁―。子どもが就学しても家庭には新たな課題が立ちはだかる。放課後に安心して過ごせる環境を確保できるかは、乳幼児の親とは別の悩みとして存在する。

【共働きでも安心】

人工知能(AI)によるクラウド型サービス「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」を提供するグルーヴノーツ(福岡市中央区)は、学童保育「テックパーク」を展開している。主に5歳―小学校中学年が通い、プログラミングやデジタルアートなどをカリキュラムとしている。

親が共働きでも安全・安心を提供するため最長21時まで預かり、夕食の提供やシャワーの利用、タクシー送迎などきめ細かい体制を敷く。自社のエンジニア経験者を中心にスタッフを構成し、「子育て支援の中に教育を取り入れる」(佐々木久美子会長)ことを軸に展開してきた。

【国内外から視察】

取り組みには「自分たちのニーズを詰め込む」(同)という考えがあった。そのため自治体の補助を受けず事業として成り立つ前提で進めた。自身も親として小1の壁にぶつかった経験がある。事業との両立を探る中で核家族が多い社内状況も踏まえ、「自分のテリトリー(会社)で解決させる」(佐々木会長)狙いもあった。

テックパークの施設には3Dプリンターなどの機器もそろう。2016年の開設以降、ユニークな取り組みに国内外からの視察が相次ぐ。福岡以外の地域での開設を求める声も増えてきた。生活習慣の基礎づくりの場として子どもの興味や関心を見守りながら育む環境を提供していく。

日刊工業新聞2020年2月21日

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