450度Cの耐熱性と高い絶縁性と密着性を併せ持つ水溶性塗料

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金属やガラスクロスに塗装したクアトロン

ジャパンマテックス(大阪府泉南市、塚本浩晃社長、072・484・8500)は、450度Cの耐熱性と高い絶縁性、密着性などの特性を併せ持つ水溶性塗料「クアトロン」を開発した。環境負荷が低く、輸送・保管が容易で、加工時の防爆設備も不要。第5世代通信(5G)向けフレキシブル電子基板や電気自動車(EV)用モーターの絶縁、金型の離型性向上など、フッ素樹脂やポリイミドの代替として幅広い用途を見込んでいる。

消費税抜きの価格は1キログラム当たり1万円前後の見通しで、一般的なフッ素樹脂より3割程度安い。月10トン程度の供給体制を整備し、サンプル出荷を開始。近く販売を始める。

独自技術で水溶化したポリアミド酸と、同じく水溶性のフッ素樹脂材料PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を混合し、溶剤を使わない水性塗料を実現した。高密着性と耐熱性を実現するため、トルマリンなどの極性結晶体やアルミナを採用した。

2液を混合した塗料の塗布後に60度Cで30分乾燥し、380度Cで15分焼き付けた後、急速冷却する。金属などの材料上に厚さ40マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の塗膜を形成できる。自立した膜の形成にも成功した。

絶縁耐力性は1ミリメートル当たり49・9キロボルトで、ポリイミドやPTFEの2倍以上。塗膜表面から熱を放出する性能である輻射(ふくしゃ)率は水と同等の0・95と高い。撥水(はっすい)性は一般的なフッ素樹脂と同等。金属への密着性は「JIS K5600」に基づく試験で最高性能を確認した。

食品衛生法などの規格に適合し、フライパンなど調理器具にも使用できる。耐熱、絶縁、撥水・撥油(はつゆ)、耐摩耗、滑り性、耐薬品などフッ素樹脂と同じ特性を持ちながら、加工時に使うクロム系材料を含むプライマー(下地)が必要ない。

日刊工業新聞2020年10月29日

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