北海道の自動車産業が急成長! CASEの進展が背景に

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CASEの進展、商機に

北海道で自動車の産業基盤が強固になってきた。道内大手自動車関連企業の部品や設備機械の道内調達額と調達率は過去最高を記録。次世代技術関連の受注を狙うほか、自動運転技術の実証実験地として存在感を示しつつある。寒冷地でのテストコースという従来の役割から生産拠点として成長した北海道は今後、次世代技術開発の先進拠点を目指す。

【製造業に課題】

北海道は強みの食と観光に比べて弱い製造業の振興が長年の課題だった。ただ、1992年に操業したトヨタ自動車北海道(北海道苫小牧市)を軸に、トヨタ系のサプライヤーが次々と工場を建設。道も産学官で北海道自動車産業集積促進協議会(HAIA)を2006年に組織するなど、自動車関連のモノづくりの強化に取り組んでいる。

トヨタ北海道やデンソー北海道(北海道千歳市)など道内大手6社の部品の19年度道内調達額は410億円(前年度比9億円増)、道内での部品調達率も21・9%(同0・9ポイント増)と過去最高を更新した。20年度は新型コロナウイルスの影響で不透明だが、額と率ともに増加した背景には北海道や道内企業の努力がにじむ。

大橋祥二デンソー北海道取締役は「北海道には気にかけてもらっている。道内調達は企業への支援もしつつ増やしていきたい」と話す。デンソー北海道は25年までに約110億円を投じて工場を拡張し、エンジン制御関連のシステムに使われる半導体センサーを増産する。デンソーグループの戦略として「エンジン回りのセンサーなどをデンソー北海道に集約しコストダウンを図って競争力を高める」(大橋取締役)狙いだ。

【参入支援も展開】

一方、北海道は道内に本社を置く企業に対し、自動車産業への参入支援も進める。1月にはトヨタ自動車の本社(愛知県豊田市)で東北の企業などと商談会を開催した。

出展したエスイーシー(SEC、北海道函館市)は水深1万メートル相当の水圧に耐えられる独自の耐圧防水樹脂「ジェラフィン」で次世代自動車向けへの応用を提案した。自動運転向けセンサーは雨や振動、排出ガスなどから保護する必要がある。「コスト面で課題はあるとの指摘を受けたが、性能が適していると説明したら納得してもらえた」(小野雅晴水産海洋プロジェクト統括マネージャー)と振り返る。

「相手側も新しい技術を求めている」(北海道経済部産業振興局の佐藤秀行産業振興課長)。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)を好機の一つと捉え、商機をつかむ考えだ。

日刊工業新聞2020年10月26日

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