三菱ケミカルHD次期社長、ギルソン氏はどんな人?

  • 0
  • 2
越智社長(左)とギルソン次期社長

三菱ケミカルホールディングス(HD)は、次期社長に食品や医療医薬関連製品を手がける仏ロケットのジョンマーク・ギルソン最高経営責任者(CEO、56)を内定した。2021年4月1日付で就任する。越智仁社長(68)は退任、小林喜光会長(73)は留任する。外国出身、社外からの社長就任は初めて。新型コロナウイルス感染拡大で社会が大きく変わる中、新体制で過去の延長線上にない変革を目指す。

新社長が挑むのは社会課題の解決を中心にした事業ポートフォリオ変革と成長だ。三菱ケミカルHDは30年に医療進化や炭素循環など6分野の売上高を70%(18年度は25%)に引き上げる目標を持つが、並大抵の変革では達成できない。そこで米国の素材大手出身で、仏ロケットの変革を実現したギルソン氏に白羽の矢が立った。

ギルソン次期社長は「(三菱ケミカルの持続可能な社会のコンセプト)『KAITEKI』は大きな志だ。理念の全てを実現したい」と決意を語る。 越智社長は、素材系3事業会社の統合や田辺三菱製薬の完全子会社化といった構造改革を成し遂げ、「次の改革はビジネスモデルが変わる。次の中期経営計画が始まる21年春にトップが変わらなければ間に合わない」(越智社長)と自ら退任を決めた。社外も含めた候補選出は越智社長の意向だ。 ギルソン次期社長は「進化を成し遂げる」と語り、新風を吹き込む。

【略歴】ジョンマーク・ギルソン氏 89年ダウコーニング(当時)入社。09年スペシャリティケミカルズ部門エグゼクティブバイスプレジデント。14年ロケットCEO。ベルギー出身。 素顔/三菱ケミカルHD社長に就任する ジョンマーク・ギルソン氏 「オープンドア」精神の日本通

旧財閥系の巨大企業グループのトップに外国出身かつ社外出身の若い経営者が就任―。困難が想像されるものだが「不安はない。早く(職務を)始めたい」とワクワクして語る様子に、明るい人柄がうかがえる。

というのも、約10年前に日本の東レ・ダウコーニング(当時)に5年間駐在した経験がある。妻は日本人で、友人も多く、日本文化に詳しい。日本は親しみのある国だ。 大胆な改革への意志は固いが、単純に“海外流”の改革を持ち込むつもりはない。まず人の話を聞き、理解を深めていく考え。「基本的に『オープンドア』のポリシーでやっていく。誰でも私の所へ来て話していい」。全社がチーム一丸となって目標達成を目指す。

4人の子どもを持つ父でもあり、家族を一番大切にしている。若い頃は「良いサッカープレーヤーだった」。今はゴルフやスキー、ハイキングを楽しむ。パイロット免許の持ち主。(梶原洵子)

日刊工業新聞2020年10月26日

関連する記事はこちら

特集