素材産業が目指すビジネスモデル、東大と三菱ケミカルが共同研究
東京大学と三菱ケミカルは6日、循環経済(サーキュラーエコノミー、CE)の実現に向けた産学連携に合意したと発表した。東大が未来ビジョン研究センター内に8月1日付で新設した「グローバル・コモンズ・センター(CGC)」に三菱ケミカルが3年間で合計3億円を寄付。資源の循環、有効活用の観点で素材産業が目指すべきビジネスモデルなどを共同研究する。
同日会見した三菱ケミカルの和賀昌之社長は、「三菱ケミカルホールディングス(HD)は、10年以上前から持続可能な社会を意識して経営してきた。今回の連携で、これまで以上にCE実現へ貢献できる」と説明した。
CGCとの連携に他社や団体を巻き込みながら、CEの取り組みを加速し、化学産業の発展を目指す。
東大はCGCを通じ、全人類が共有する地球環境という資産(グローバル・コモンズ)の保全に向けて、社会変革をリードしたい考え。2050年までに国連の持続可能な開発目標(SDGs)を達成するため、エネルギーや食料、CEなどを統合した視点で、あるべき姿のシミュレーションを行うほか、各国の貢献度合いを示す指標や行動指針などを提示し、社会変革に向けた議論を促す。
同様の取り組みを行う海外の団体とも連携する。五神真東大総長は「グローバル・コモンズを未来につなぐ」と意気込みを語った。