ついに本格導入なるか?東邦ガスが測量・点検でドローンの実地実験

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橋にかかるガス導管をドローンを使い試行点検

東邦ガスは飛行ロボット(ドローン)をガス導管の新設工事設計や維持管理での活用に向けて試行を進めている。設計のための測量や、道路橋の下や脇などに設置している添架管の点検にカメラ搭載のドローンを用いた実地試験を2018年から重ねている。21年度上期中までに適用範囲を見極め、本格導入か試行続行かを判断する方針。(名古屋・市川哲寛)

効率化推進

ガス導管網のうち中高圧管は直径が400ミリ―600ミリメートルと大きい。また幹線に用いられることが多く、長距離のため新設工事の工数がかかる。添架管の点検は河川敷が狭いところや川の水面から橋まで高さがあるところは船や足場を用いることがあり、時間を要する。これらを効率化する技術としてドローンに着目し、実用化できる範囲を見極めるために試行することにした。

測量では測定器で高さの把握、全地球測位システム(GPS)で位置の把握をしながらカメラで空中写真を撮影する。目視範囲内の自動飛行により、測量法で定められた精度の範囲内で測量できることを確認した。導管延長6キロメートルの場合、従来の手作業に比べて3分の1程度の10日で測量できた。

添架管の点検では、橋の下の管を撮影する上向きカメラなどを搭載しながら、従来と同等の画質での撮影を確認した。測量とは異なり操縦飛行する。従来、足場の設置から撤去まで含めて5日かかる場合があったが、ドローンなら1日で点検できた。

導入のハードル

課題は「ドローンを使う場所や天候を選ぶこと」(小沢裕治導管ネットワークカンパニー導管企画部幹線グループ幹線エンジニアリングチームチーフ)と説明する。

ドローンも航空法が適用されて飛行機に準ずる制限を受け、住宅密集地、空港の近く、高速道路の上では飛行できない。住宅密集地を避けるため、幹線の設計で試行している面もある。

また、風雨が強いとドローンの操縦や撮影した画像がぶれてしまうため「日中の風が穏やかな気候の時に使用が限られる」(同)。

このため飛行可能地域の規制緩和や風雨に強くなったり自動飛行技術の進展などドローンの性能向上などを見極める必要があると判断し、本格導入まで長い目で見ている。

幅広く検討

現在の試行はガス導管設計の委託会社が所有するドローンを用いている。本格導入して使用頻度が高まれば自社での保有やパイロットの育成などを検討する方針。

ガス導管以外への活用も幅広く検討している。タンクなどガス導管以外の設備点検や災害発生時の設備点検などが想定される。ガス業界での導入はまだ多くはないと見られ、作業効率化へ向けて現行手段からドローンへの切り替えを目指す。

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ドローン

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