丸紅、人口世界第4位のインドネシアでタイヤの小売店舗拡充から見える狙い
丸紅は海外の自動車用タイヤ小売り販売店網を拡充する。4月に経営権を取得したインドネシアのタイヤ小売りの店舗数を現状の7店舗から2023年までに少なくとも約25店舗まで拡充する方針。同国の人口は世界第4位の約2億6000万人で、今後も中間所得層の増加が見込まれることから、自動車関連需要の増加が期待できる。タイやメキシコにおいてもタイヤ小売りの店舗網を広げていく。
丸紅は今春、タイにある子会社で、バンコクを中心にタイヤ小売りチェーンを手がける「ビークイック」を通じて、インドネシアのタイヤ小売りチェーンの経営権を取得した。
14年に資本参画したが、経営権を取得してビークイックで培ったノウハウを応用し、事業拡大を狙う。あわせて社名も「ビークイック・オートモーティブ・インドネシア」に変更し、現地でも「ビークイック」ブランドで展開していく。丸紅はタイのビークイックを06年に買収。主にプレミアムブランドを中心としたタイヤ販売やカーメンテナンスサービスを提供する。カスタマーサービスの質の高さや、独自の人材育成ノウハウを通じて直営店舗網を買収時の44店舗から170店舗まで拡大した。今後も年間10前後を目標に、新店舗を出店していく計画だ。
一方、16年にはメキシコの大手タイヤ販売代理店であるラジアルジャンタスの株式49%を取得。取得時、小売り60店舗の拠点網は現状72店舗まで拡充した。25年までに100店舗まで拡充を目指す。
今後は東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心に、経済成長を背景としたモータリゼーション(車社会化)が期待できるエリアでタイヤ小売りチェーンのさらなる展開も視野に入れる。
日刊工業新聞2020年9月17日