現場データを即時処理、エッジコンピューティング向け小型コントローラーの特徴は?
拡張・信頼性備える
NECプラットフォームズ(東京都千代田区、福田公彦社長、03・3259・1311)は、現場データを即時処理するエッジコンピューティング向けに特化した小型コントローラーを投入する。小型ながらも拡張性や長期・保守などの信頼性を備える。サーバー製造で培ったノウハウや技術基準をはじめ、国産製品ならではの手厚いサポートを生かし、年間1万台の販売を目指す。
第1弾として「コンパクトボックス型コントローラ」を11日に発売する。同製品は、複数の機器からのデータを現場で即時分析する工場やスマートシティー(次世代環境都市)のIoT(モノのインターネット)環境を制御し、ネットワークの負荷を軽減する。このため、24時間365日の安定稼働に加え、長期の供給・保守を保証。5年間の供給と、供給終了後6年間の保守とする。
筐体(きょうたい)は180ミリメートル四方で、厚さ50ミリメートル。外部インターフェースはPCIeやSATAなどの拡張モジュールを挿入できる「M.2スロット」が2ポート、LANと映像用の「HDMI」が各2ポートなど。
組み込み用途で使う金属製の「DINレール」やディスプレーなどを取り付ける「VESA」規格にも対応。基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10エンタープライズ」のカスタマイズ(個別対応)も含め、客先の要望に柔軟に応える。
心臓部に米インテルのプロセッサー「コアi5」を採用、240ギガバイト(ギガは10億)のSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)などを搭載。価格はオープンだが、20万円程度を想定する。年内には「コアi7」搭載の上位機や「セレロン」搭載の低価格機も順次投入し、品ぞろえを増やす。
受注生産の拠点はNECグループの甲府工場(甲府市)。サーバーやスーパーコンピューターなどで培ったモノづくりの力を生かし、国産品質に加え、短納期化も実現する。納期は最短3カ月程度を予定する。
まずは生体認証の画像データ処理や工作機械の制御、産業用IoT向け需要を掘り起こす。例えば、生産ラインにカメラを付けて、作業の効率化の映像解析に用いたり、不良品をはじく検品に用いたりできる。