モノづくりの現場が変わる!加速し続けるDX

  • 1
  • 2
DXはモノづくり現場にも大きな変化をもたらしている(安川電機)

工作機械、クラウド共用

【製造現場に波】

デジタル技術を活用して新たなビジネスモデル創出を目指すのがデジタルトランスフォーメーション(DX)だ。わが国の製造業を支えてきたモノづくりの現場でもDXの実現が欠かせない。そのためロボットや工作機械、FA(工場自動化)機器といった生産財メーカーでは、DXの動きが加速している。

工作機械業界ではファナック、富士通、NTTコミュニケーションズが、工作機械メーカー各社が共通利用できるクラウドサービス「デジタルユーティリティクラウド」を開発中だ。暗号化などセキュリティー技術によりデータを安全に流通できる基盤を構築、顧客の設備稼働データや、工作機械メーカーの修理マニュアルなど情報を安心して活用できるようにする。

【顧客サービス】

3社は保守診断などを共通可能な領域と位置付け同サービスを開発。工作機械メーカーは個別にITシステムを開発する負担が減り、データを活用した顧客向けサービスを充実できる。

機械部品の調達でもDXの動きが加速する。ミスミグループ本社が開発した機械加工品の受託製造サービス「メヴィー」は、3次元CADデータを専用サイトにアップロード(転送)すると、瞬時に価格や納期が表示され発注できる。独自開発の人工知能(AI)で部品形状を認識し、価格など見積もりを算出、受注後にCADデータから加工プログラムを自動生成してミスミや協力会社の加工機に転送し、最短1日で製造出荷を可能にした。紙の図面などで受発注していた習慣を改め、調達の大幅な時間短縮を実現した。

DXが加速している背景には、IoT(モノのインターネット)技術の普及がある。例えば安川電機は、IoTを応用したDXで顧客の課題解決に取り組む。中核となる生産現場の自動化コンセプト「アイキューブメカトロニクス」は、主要製品のデータと周辺機器との連携を高め、生産性を大幅に向上させる。小笠原浩社長は「コンセプトは20年前から考えていた。IoTの進化でようやく実現できる」と喜ぶ。

【統一管理】

同社では自らも2020年をDX元年と位置付け、独自のYDX(安川デジタルトランスフォーメーション)を策定、経営から技術まで各面の改革に乗り出している。デジタル経営の実現を目指し、25年までにグローバルで業務プロセスの標準化・自動化を進めている。ロボットやサーボモーターなど主力事業の生産や購買、品質を統一管理する。

18年に埼玉県入間市に自動化技術を導入した次世代工場が開業したばかり。来春には本社に研究開発機能を集約して開発の見える化も図るなど、全社を挙げてDXによる経営改革を進めている。

【関連記事】 自動車部品メーカーも注目、「工場改革」のキーマン

関連する記事はこちら

特集