日野自がモデルチェンジごとにサプライヤーへコンペ、調達の「価格交渉」明確に
日野自動車は開発部門や自動車部品サプライヤーとの連携を強化した調達戦略を進める。開発部門が主体となり、部品の仕様を見直して部品点数の削減などを検討。開発からの提案をもとに、トラックのモデルチェンジの時期に合わせて調達部門がサプライヤーに対しコンペ(試作品の公募)などを行う。サプライヤーとの価格交渉時に双方の金額差の理由を具体的に解明する仕組みも取り入れ、効果的な原価低減につなげる。
2019年に社内で「ライジングハイ」と呼ばれる開発と調達部門が協力する活動を本格的に始めた。コンペのほか、開発が見直した設計仕様に対して最適なサプライヤーを調達部門が選定する。開発と調達が密に連携することで、中長期的な調達戦略を立てられるようにする。
すでにサプライヤーとは17年に調達部門主導の原価低減活動「ハイパー活動」を始めた。調達する部品コストを日野自が試算し、サプライヤーの提示額とのギャップ(差)を計算。その差の原因がどこにあるかをサプライヤーと追求する。プレス部品や板金部品、樹脂成形部品、鋳造品、鍛造品などで進めている。
ギャップの解明により日野自とサプライヤーの双方にメリットが生まれるようにする。差額の要因が、日野自が要求した仕様にあれば、その変更も検討する。
サプライヤーにも材質の変更や、より安く材料を仕入れる調達先を紹介するといった提案をする。
日野自は25年度までの中期経営計画で抜本的な原価低減を掲げている。