見守りシステム、大切なのは「トイレの回数」

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見守りシステム「omu」のトークルームを使えば子が親に連絡を取るきっかけにもなる

見守りシステム開発 親のトイレ使用情報通知

LIXIL子会社のNITTO CERA(愛知県常滑市、浅野靖司社長、0569・44・0173)は、ノバルス(東京都千代田区)と共同で見守りシステム「omu」を開発した。離れて暮らす親がトイレを1日に何回、どのタイミングで使ったかを把握できる。浅野社長に見守りシステムの特徴や、製品化に向けた戦略を聞いた。(門脇花梨)

NITTO CERA社長・浅野靖司氏
―どうやってトイレを使ったことを把握するのですか。

「タンクの上にある手洗い場にomuを設置すると、トイレを使うごとに開いている穴を水が流れる。水が通ると電気が通るセンサーを内蔵しており、それでトイレの使用を感知する」

―トイレの使用情報はどのように通知されるのですか。

「ノバルスが開発した乾電池型IoT(モノのインターネット)デバイス『MaBeee(マビー)』が通信を担う。近距離無線通信『ブルートゥース』によって親のスマートフォンに情報が送られ、その情報を子も共有できる。専用のアプリケーション(応用ソフト)を通じて1日1回通知する。アラート通知も可能だ。トークルーム機能もあり、通知が連絡を取るきっかけにもなり得る」

―製品化を前にクラウドファンディングサイト「マクアケ」で支援者を募るそうですね。

「まずは13日までに200万円の支援を目標にしている。達成できれば、製品化の検討に入る。応援コメントなどで製品がどんな風に見られているかも把握できる。どんな購買層に向け、どういう切り口で発信すると売れるかを分析したい」

―提携する同サイト運営のマクアケと、相次いで協働しています。

「最初は天然シルク由来の保湿成分フィブロインを配合した泡が排出されるシャワー『KINUAMI』のクラウドファンディングを実施した。こちらは目標達成し、製品化に向けて計画を進めている。事業化の可能性を図るよい機会となった」

―今後、狙いたい領域はありますか。

「ヘルスケア領域を狙いたい。トイレや風呂の活用で生理現象に基づく情報収集が可能だ。何をどんな風に検知すれば有意義な情報になるか検討する」

【チェックポイント/協働の動き、今後も続く】

LIXILの新規事業推進部部長としての顔も持つ浅野社長。トイレや風呂の知見に他社の技術を掛け合わせることで、新しいモノを生み出す。子会社として開発に挑むため、意思決定も早い。今後も協働の動きは続きそうだ。また、マクアケとの提携も大きな強みだ。クラウドファンディング実施により得られた生の声やデータを製品化時に反映できる。発想すらなかったような、画期的な製品の誕生に期待したい。

日刊工業新聞2020年9月8日

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