各企業がコロナ禍の内定者を支援、その内容は?

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企業「不安取り除きたい」

新型コロナウイルス禍で、学費や生活費が影響を受ける入社予定の大学生らを支援しようと、企業が動き始めた。三菱ケミカルやミネベアミツミ、王子ホールディングス(HD)は金銭支援などを決めた。外資系商用車メーカーは、外国籍の学生にビザ延長の支援などを行い、入社までのビザの空白をなくす。先行き不透明な状況が続くが、入社予定者が安心して学び、生活できることは中期的に企業の活力にもなり得る。

三菱ケミカルは、2021年4月に新卒で入社を予定する約200人全員に10万円を支給する。採用面接をオンライン化した結果、就活生に支給予定だった交通費の予算が浮き、これを活用した。また大学のオンライン授業など向けに、タブレット端末「iPad(アイパッド)」を貸与する。「学生の悩みを聞き、出てきたアイデアだ」(同社役員)という。

ミネベアミツミは、学費面で就学が困難になった、一定条件を満たす入社希望の学生に月額12万円を支援する。人数は最大20人。支援期間は最大18カ月間。応募条件は大学3、4年生と修士課程、博士課程の2、3年生で、21年4月だけでなく、22年4月入社も対象とする。9月から選考を始める。7月の発表当初、応募期間は8月までだったが、「足元の社会状況を踏まえ、引き続き応募を受け付ける」(同社担当者)。

王子HDは、21年4月入社予定者の中で一定要件を満たす希望者に、100万円を上限に無利子で一時金を貸与する。また、例年は就活生を対象に無給で実施していたインターンシップ(就業体験)を、20年は有給とし、21年4月入社予定者を対象とする。「学生の不安を少しでも取り除きたい」(同社広報)という。ただ、現在は新型コロナ感染拡大の影響で受け入れを延期している。

三菱ふそうトラック・バス、UDトラックスの外資系商用車メーカー2社は、9月に卒業して21年4月に入社を予定する外国籍の学生の困り事に着目した。通常は卒業から入社までの間、ビザの問題で本国に一時帰国する必要があるが、新型コロナの影響でこれが難しくなった。三菱ふそうは「企業としてビザ延長を申請し、支援している」(同社広報部)と話す。

UDトラックスは、一時帰国できない外国人留学生に、入社時期を10月などに早める選択肢を提案している。早期入社しない学生にはビザ延長をサポートする。

半導体製造装置や情報通信などの一部企業を除き、日本企業は軒並み新型コロナの影響で業績に大きな打撃を受けた。学生支援を行う各社は、新型コロナで浮いた予算やインターンシップなどを活用し、工夫して支援金を捻出している。学生は近いうちに一緒に働く仲間だ。支援の広がりが期待される。

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