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中堅企業とアジアのスタートアップをマッチング 経産省が新基盤構築へ

経済産業省は中堅企業とアジアのスタートアップをマッチングするための基盤構築に乗り出す。海外進出や技術革新に対する意欲が高い日本企業と日本への関心が高い現地のスタートアップを日本の金融機関や現地のベンチャーキャピタル(VC)などの協力を得て個別に引き合わせ、協業やM&A(合併・買収)などの可能性を探る。2020年度末までに4都市で優先的に展開した後、拠点都市や規模の拡大を通じて双方のグローバルな動きを促す。

双方の企業をつなぐ場として基盤「オープンイノベーション・プラットフォーム(仮称)」の構築を進める。金融機関や地方自治体が海外進出に関心が高い中堅企業を中心に呼び込み、現地のVCが発掘したスタートアップを引き合わせる。日本貿易振興機構(ジェトロ)が橋渡し役となって双方のニーズを探り、協業やM&Aなど具体的な取り組みを後押しする。

マッチング需要が高い「ヘルスケア・医療」「モビリティ」「小売り」「アグリテック」を重点分野に設定。スタートアップ企業の集積が進むシンガポール、インドネシア・ジャカルタ、インド・ベンガルール、イスラエル・テルアビブを優先地域として、ジェトロの専任コーディネーターの配置や専門家による支援などを手厚く展開する。

デジタル変革(DX)の動きが加速する中でアジア各国のスタートアップへの投資規模は世界的に拡大。しかし日本は欧米や中国と比べて後れを取る。事業性が判断しづらく協業や投資に二の足を踏む日本企業が多いためだ。そこで経産省では、マッチングの場を設けることで協業などによる技術革新を促したい考えだ。

日刊工業新聞2020年9月2日

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