分身ロボットが来訪者を先導!NTTがオフィス利用で本格導入

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遠隔から映像や音声を通じて来訪者を案内する「オリヒメ―D」

NTTは、オリィ研究所(東京都港区)の遠隔操作型の分身ロボット「オリヒメ―D」を活用した、障がい者による受付業務を本社内に本格導入した。外出が困難な人の社会参加を支援する。加えてテレワークの普及で幅広い業務に使えると判断し、適用範囲の拡大も検討する。(苦瓜朋子)

来訪者を先導

来訪者が受付スタッフに社名や氏名、訪問先を告げると、スタッフは来客情報を確認後、遠隔地でオリヒメ―Dを操作する作業者「パイロット」に呼びかけて案内を依頼。パイロットはオリヒメ―D内蔵のカメラとマイクを通じて、パソコン上で音声や映像を確認しながら対応する。床に敷かれた目印や2次元コード(QRコード)に沿って来訪者を会議室まで先導する。このパイロットを障がい者が務める。

オリィ研と検証

元々オリヒメ―Dはカフェでの配膳用に開発された。オフィスで利用するのはNTTが初めて。オリィ研究所と適用業務や機能の検討を重ね、人の歩くスピードに合わせて移動速度を上げたり、約2メートルの距離からの呼びかけに対応できるようにマイクの精度を高めたりした。高画質な映像伝送や伝送時の遅延低減の検証も共同で行っている。

2―4月の試行で84組に対して受付業務を行い、技術面やスタッフとの連携、来訪者の反応などに問題がないことを確認。特例子会社を通じて新たに2人の障がい者をパイロットとして採用し、7月に本格導入した。元々子会社で雇用されていた社員を含めた計4人で遠隔受付を担当している。

会話和やかに

坂本絵美さんは、オリィ研究所が運営する「分身ロボットカフェ」でパイロットを務めたことをきっかけに採用された。現在は入院する大阪の病院で1日4時間、週5日働いている。パソコンで映像を見ながら操作し、来訪者のいる方向に首を動かし、手を挙げたり雑談を交えたりして対応する。「毎日たくさんのお客さんと話せるのがうれしい。オリヒメ―Dで働くことが日常になっている」と話す。

来訪者の中にはロボットを前に戸惑ったり身構えたりする人もいるが、「カメラの向こうに生身の人間がいるとわかると親しみを持ってもらえる」と、NTTの池田円総務部門ダイバーシティ推進室長は説明する。オリヒメ―Dを通じたパイロットとのコミュニケーションにより「和やかな雰囲気で打ち合わせに入れる」(池田室長)効果もある。

来訪者情報と連携し、受付業務の完全無人化も検討。そのほか、同社研究所の親子オフィスでの子ども見守りやショールームでの製品案内への活用も視野に入れる。

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