誰もが働きやすい環境へ! 日本気象協会が進めるユニークなプロジェクト

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育児休暇中の職員を対象に子育て、キャリアの両立などを話し合う座談会を開催

組織横断プロジェクト推進

日本気象協会は働き方改革として「職員誰もが働きやすくなる環境づくり」を進めている。事業部により24時間体制と通常勤務の違いのほか、育児中の女性職員や介護を伴う勤務など多様な働き方が顕在化してきた。これを踏まえてスマートオフィスやワーク・ライフ・バランスの実現に向け、協会内で編成した組織横断のプロジェクトを通じて働き方改革の具体化にも着手した。(編集委員・井上雅太郎)

日本気象協会は気象に関する調査・解析を基に、気象や防災、環境分野向けの情報提供やコンサルティングなどを行う。宮下孝治業務執行理事常務理事管理本部長は「2019年度までの中期経営計画では進むべき道『ビジョン』を示した。これを実現するアプローチとして組織横断の『経営ビジョン推進プロジェクト』を18年に編成した」と説明する。

分野ごとに3事業部のほか、管理部門があり24時間365日サービスする仕事やバックオフィスの仕事、コンサルティングなど働き方が異なる。また、近年は女性職員が増えたこともあり出産・育児のほか、介護といった課題も出てきた。

これを踏まえてビジョンでは働き方改革を取り組むべきテーマの一つとした。同プロジェクト傘下に「誰もが働きやすくやりがいのある会社で、事業収入と利益率をあげよう。プロジェクト」を設けた。「そこでは『スマートオフィスの実現』『ワークライフバランスを図る』ことに加え、『収益性』もスローガンに掲げ、意気込みを示した」(宮下本部長)と評価している。

例えばプロジェクトでは19年に出産・育児・介護期間中や復帰の職場課題を軸に、改革への風土醸成に取り組んだ。そこで育児休暇中の職員が子ども連れで参加できるオフィスでの座談会を企画。休暇中の支援や子育てとキャリアの両立などを話し合った。

また、経営幹部を対象に働き方改革の研修・講座「イクボスセミナー」を開いた。イクボスとは部下・スタッフを育てる上司のこと。参加者がそれぞれコミットメントとして「イクボス・アクション宣言」を発表した。

経営幹部を対象にした働き方改革の研修・講座「イクボスセミナー」

このほかテレワークの実証実験も実施。テレワークしながら「より働きやすい」「やりがいを持ち、仕事を続ける」と思える制度も検討した。

これら取り組みを20年1月末に最終提言としてまとめた。同協会では「風土醸成、ワークスタイル、生産性を網羅する内容。この提言をベースに経営・管理層が組織運営にマッチした制度をつくり上げればプロジェクトが集大成にできる」(同)と強調している。

20年度から3カ年の新中期経営計画がスタートし、この中で新たな働き方改革の制度づくりに反映していくことになる。「現在の業務プロセスを見直すには“個人の裁量を尊重する”“組織統制の下で分業・連携を重視する”などを個別に整理する必要がある」(同)と言うが、プロジェクトで示されたことが働き方改革の推進力になると期待している。

日刊工業新聞2020年8月19日

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