需要回復だけじゃない、家電の国内出荷額が伸びたワケ
日本電機工業会(JEMA)が21日発表した6月の白物家電の国内出荷額は、前年同月比5・8%増の3073億円と9カ月ぶりに増加した。単月で3000億円を上回るのは2000年以降で初めて。エアコンや洗濯機がけん引した。新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が5月末に解除されたことに伴う需要回復に、6月末終了のキャッシュレス・ポイント還元事業の駆け込み需要や、新型コロナ対策の10万円の特別定額給付金などの追い風が重なった。
製品別の出荷額は、エアコンが同9・5%増の1482億円で9カ月ぶりにプラスに転じた。洗濯機は同4・4%増の349億円と2カ月連続でプラスだった。冷蔵庫は同6・6%減の494億円と2カ月連続で前年同月を下回った。
6月は外出機会が減り販売が落ち込んだ4―5月分の反動増が出た。また特別定額給付金については「10万円というまとまった額が家電製品の購入を後押ししやすかった可能性もある」(JEMA)。さらに全国的に気温が高かったことが、エアコンの出荷の高水準につながった。
台数ベースでは、エアコンが同10・9%増の184万4000台で9カ月ぶりに増加。冷蔵庫は同1・3%増の41万9000台で5カ月ぶりのプラスだった。洗濯機は同8・6%増の40万9000台で7カ月ぶりに前年同月を上回った。
コロナ禍の“巣ごもり”消費で需要が増えた調理家電も堅調を維持している。電子レンジやジャー炊飯器、IHクッキングヒーターの出荷台数が前年同月を上回った。
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日刊工業新聞2020年7月22日