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これで「巣ごもり」生活もグレードアップ!最先端のIoT機器で快適を手に入れる

+Style(プラススタイル)社長・近藤正充氏インタビュー
これで「巣ごもり」生活もグレードアップ!最先端のIoT機器で快適を手に入れる

     

世の中でIoT(モノのインターネット)化が進み、仕事だけでなく生活にも効率化の波は迫る。人々が快適に生活するために、世の中に様々なIoT製品があふれる近年では、スマートフォンで操作できる家電製品も多くみられるが、従来のリモコンをスマホに置き換えるだけで、はたして私たちは快適になったといえるのだろうか。また、高性能な製品を上手く使い切れずに、機能を持て余してはいないだろうか。製品の仕様に合わせて動く生活ではなく、今一度意識を持ち、自分の行動や目的に合わせて製品を選ぶことで、心地よい生活は手に入るはず。ましてや新型コロナウイルスの感染拡大で自宅での巣ごもりを余儀なくされている現状ではなおさらだ。

多機能性やビジュアルの目新しさにスポットが当たりやすい中、機能を削ぎ落としたミニマルなSIMフリースマートフォンや小型ドローンなどの輸入販売から、従来製品をスマート家電化するリモコンやプラグなどの実用的なオリジナル製品まで、様々な需要に合わせたIoT製品を販売するウェブサイト「+Style(プラススタイル)」。同サイトを運営するプラススタイル(東京都港区)社長の近藤正充氏に、IoT製品の快適性やIoT化への思いについて話を聞いた。(梶田麻実)

▼+Style(プラススタイル) ―設立の経緯を教えてください。

「プラススタイルは元々はソフトバンク内で立ち上がった事業でした。以前、私が米シリコンバレーにあるソフトバンクのオフィスで働いていた際、海外の数々のIoT製品に触れ、日本にも取り入れていこうという思いから、会社を立ち上げました」

「はじめは、面白くて話題になるようなIoT製品を、海外から輸入して販売することに注力を注いでいました。SIMフリーのスマホやペット向けのIoT製品など、売れ行きは好調でしたが、徐々にユーザーが固定され、販売が拡大しない状況が続きました。一時的には売れても、IoT製品はなかなか浸透しなかったので、日常的に使う製品ならばと家電のIoT製品に焦点を当てました。そこで海外にIoT家電を探しに行ったところ、理想的なものが見当たらなかったので、自分たちで作ることに決め、オリジナル製品の販売を始めました。そうして現在は、世界中のIoT製品の輸入販売と、オリジナルのIoT家電の販売という2つの柱をもってサイトを運営しています」

―どんな製品がありますか。

「輸入製品で人気が高いのは、手のひらサイズの超小型ドローン『SELFLY(セルフライ)』です。正直、最初は売れないと思っていたのですが、今では再発注がかかるほどの売れ行きです。別売りの専用iPhoneケースに入れることで、どこにでも持ち運びやすく手軽に遊べる点や、価格的なハードルの低さがよかったと感じています」

超小型ドローン SELFLY(セルフライ)

「オリジナルのIoT家電では『スマートマルチリモコン』が売れています。これ一つで家中の赤外線リモコンをスマホに集約でき、プラススタイルの専用アプリを使った操作や、スマートスピーカー(Googleアシスタント、AmazonAlexa対応)を使った音声操作が可能です。インターネット環境回線さえあれば、外出先からもアプリによる遠隔操作で、自宅の家電を自由にコントロールできます。タイマー機能を持たない機器も、本製品を使えばタイマーでON/OFFさせることも可能になります」

スマートマルチリモコン

「プラススタイルのオリジナル製品は、専用アプリにすべての機器を連携させて操作・管理できるのが特徴です。製品ごとにアプリを立ち上げる必要もなく、一つのアプリで簡単に操作できるので、確実に生活をスマート化できます」

―IoT家電を一から揃えるのは難しそうです。

「コンセントと商品の間に指す『スマートWi-Fiプラグ』を販売しています。物理的なスイッチでオンオフするような製品にこれをかませることで、スマホのアプリでコントロールできるようになるので、幅広いIoT化に繋がります。電力電圧も計測できるので、消費電力の目安まで分かるようになります」

スマートWi-Fiプラグ
―IoT非対応の製品もこのプラグでIoT化できますか。

「手持ちの製品を買い換えるにはエネルギーがいります。IoT製品に比べると機能は少ないですが、これを使えば従来品をそのままIoT化できます。例えば、アンティークの製品なども、スマートホームの一部として一緒に操作できたらいいなというニーズを拾ってくれるのが、スマートプラグやスマートマルチリモコンです。オリジナルのIoT家電と合わせて、従来製品にはプラグをかませれば、すべての製品をアプリの配下におけるので、新旧混在で等しく管理できます」

―IoT製品に抵抗がある人は多いのでしょうか。

「IoT製品をどう使ったらいいのかわからないという声が多いので、プラススタイルでは、マガジンページを作って商品の詳細記事を書いたり、動画できちんと機器との連携方法を説明したり、展示会に出して連携のデモンストレーションをしたりしています。体感で“これはすごい”と思っていただけることが、なにより浸透するポイントだと考えているので、ショールームを作る計画も立てているところです。様々な方法で、製品を分かりやすく伝えることを心がけていきたいですね」

―工夫していることは。

「世の中では、IoT化って何?スマート化って何?というところがあるので、価値を見出せない状態で、IoT家電だからといって価格を上げても、受け入れらないと思っています。価格でハードルを持たれてしまうと、製品のよさを体感してもらえなくなってしまうので、今は私たちが利益を削っても、既存の製品と同価格で提供したいと思っています。そうして、IoTやスマート化に対するハードルを極力低くしたいですね。現段階は、”使ってみたらIoTってすごい”と感じてもらうフェーズだと捉えているので、そのために、使い勝手のよさを追求しています」

―スマート家電に対する世の中の意識は。

「確実に高まってきてはいますが、日本におけるスマート家電への関心は、現在のスマートスピーカーの普及率などを見ると、諸外国と比べると5年ほど遅いように感じています。ただ、絶対に流行る時代はきます。それが明日かもしれないし、5年後かもしれませんが、地道にやっていれば花開くときがくると信じています」

―スマートホームのよさってなんでしょうか。

「スマホで家電製品をコントロールすることや、スマートスピーカーで声でコントロールできる、などと言われていますが、大切なのは機器と機器の連携だと考えています。ドアが開いたらライトがつくなど、人が動くことによって製品が作動し、自然に生活しやすい状態になることが、スマートホームのよさだと思うんです」

「家に帰る前にスマホでエアコンつけておくなど、よくある遠隔操作は確かに便利ですが、スイッチを押し忘れてしまえば結局寒い思いをしてしまいますよね。そうではなくて、<アプリの地図情報と連携して、家の半径〇〇メートル以内に入ったら勝手にエアコンがつく>という設定ができたり、<外の天気と室内の温度をみて、外の温度が低かったら、室内の温度をあげる>といった自動操作をしてもらうことができるんです。ユーザー自身が何も考えることなく、自然に快適な状態にしてくれることが重要だと考えています」

―自分の行動に合わせてカスタマイズできますね。

「私の家にあるロボット掃除機でいうと、玄関の扉にドアセンサー設置して、<平日の7時~10時までの間に玄関のドアを開けるとロボット掃除機が動き出す>という設定にしています。朝、会社に行くときにドアを開けると、ロボット掃除機が掃除をしてくれることになっているんです。設定時間外に開けても掃除機は動きません。休日は朝にドアを開けても動かないようにするなど、自分の生活スタイルに合わせたカスタマイズが可能です」

「また、リビングのソファに座るとアロマデフューザーが作動するようにしています。テレビの横に人感センサーを設置して、<ソファに座ることで人感センサーが察知し、アロマデフューザーをONにする>という設定をしています。アロマデフューザーをつけよう、とソファに座ってからスイッチを入れるのではなく、ソファに座ると自動的に良い香りが漂ってきます。自分仕様にカスタマイズできることで、日常の中で心をくすぐられたり、自然と豊かな気持ちになるようなものを提供していきたいですね」

―今後、どんなIoT製品を取り扱っていきたいですか。

「ドローン・SIMフリー系のスマートフォン・ペット用の商品などは人気が高いので、引き続き新製品を出していきつつ、オリジナル製品では、スマートホームという観点のなかで想像できる限り商品を追加していきたいです。コンセプトとして、家の中にある電気が通るものを、すべてIoT化したいと考えています。家の中の家電製品を見て、これとこれとこれがインターネットに繋がって連携すればどんなに楽しいことが起こるだろうと想像したとき、そんな商品がプラススタイルのラインナップにあるかもしれません」

+Style(プラススタイル)社長・近藤正充氏
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
生活がデジタル化すると、人の行動や空間の景色も変わります。スマホが多機能になるにつれ、何をするにもポケットからスマホを取り出し、みんな光る画面に向かっています。通知が来るたび気を取られたり、SNSのタイムラインについ目がいったり。行動が散漫になりがちな現代、便利な機器につられて動くのではなく、主体的に機器を扱いながら、自分の行動をコントロールしていきたいですね。

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