冷たく蒸れないマスクを投入した衣料素材メーカーの技術がスゴい!

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光触媒の新技術を応用したマスク「ダントツマスクール」

抗菌防臭効果、50回の手洗い対応

新型コロナウイルス感染症対策はテレワークなど働き方改革にとどまらない。今後は新たな社会的要請に応じた対策製品を提供できるかも重要になる。

小松マテーレは肌に触れると冷たく感じる効果や、吸放湿性も持ち蒸れにくい機能を備えたマスク「ダントツマスクール」を発売した。主に自社サイトで販売する。衣料などの素材メーカーである同社が最終製品を製造販売する新しい挑戦だ。

2月に先行してマスクにセットするインナー「ダントツフィットインナー」を発売。マスク需要と夏の暑さ対策に向けて「急ピッチで開発した」(中山大輔専務)。この素早い対応はマスクに用いたウイルスを酸化分解する光触媒の新技術「ウイルスシールド」があったからだ。

光触媒技術の開発は東芝マテリアル(横浜市磯子区)と1年半前から取り組んでいた。当初の技術応用の狙いは「バスなどの車両用シートだった」(小川直人技術開発本部長)。苦心の末に酸化タングステンを繊維に定着させる技術を開発。その後、新型コロナの感染拡大を受け、同技術を応用したインナーを投入した。マスク開発に向けてはファッションと関係が深い小松マテーレにとって自然な流れだった。「インナーが下着なら上着も必要になる」(中山専務)からだ。

マスクには抗菌防臭効果を持つ植物由来の新素材「ベジベジ」も採用。多彩な技術で消臭や花粉・紫外線(UV)のカット効果を持ち、50回の手洗いに耐える。インナーとの併用で効果が増す。

マスクとインナーは各10億円という販売目標を掲げる。ただ、最終製品の製造販売は消費者ニーズのキャッチと技術力の訴求という二つの意味を持つ。いかにして素材の供給拡大や、新技術の応用を実現できるかもカギとなる。今後はマスク自体の改良を続けるとともに硬さの種類を増やし、ファッション性も追求する。夏物の次は秋・冬物の「暖かいマスクの開発」(中山専務)も視野に入る。

(金沢支局長・本荘昌宏)
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日刊工業新聞2020年6月26日

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