まもなく日本で発売、イタリア流の電動スクーターがスゴい!
プロトが参入 価格・整備費を抑制
プロト(愛知県刈谷市)は、電動2輪車市場に参入する。イタリアの2輪メーカー「ベネリ」が設計したスクーターを7月下旬に日本で販売する。価格競争力やガソリン車と比較したときのメンテナンス費の安さを訴求し、日本市場を開拓する。プロトと取引のある約1万社の2輪販売店に同車を提案し、年間1000台の販売を目指す。
日本市場に投入する電動2輪車「GOCCIA(ゴッチア)GEV600」は、ベネリを買収した中国のゴッチアが中国で販売している車両を日本仕様に改造した。定格出力は600ワットで、原付き1種タイプとなる。価格は14万8000円(消費税抜き)。
容量960ワット時のリチウムイオン電池を搭載し、1充電当たりの走行距離は60キロメートル。家庭用コンセントで充電でき、満充電にかかるコストは1回当たり25―30円程度という。後輪内に全ての駆動部品を配置した「インホイールモーター(IWM)」を採用し、ガソリン車と相違のない出力を確保した。
車両重量は56キログラムとスクーターではクラス最軽量を実現し、車体の取り回しを容易にした。視認性の良いデジタルメーターや、スマートフォンなどが充電できるUSB端子(出力1アンぺア)を搭載するなど利便性も高めている。
矢野経済研究所の調査によると、電動2輪車の世界市場は2025年に17年比6・7倍の約170万台となる見込み。環境規制の厳格化を背景に、都市圏での移動手段として活用が広がるとみられ、ホンダやヤマハ発動機など大手メーカーも参入済み。プロトは決まったルートを短距離移動する通勤や通学向けの需要を取り込む。
日刊工業新聞2020年7月11日