「巣ごもり消費」で落ち込みに歯止め、景気DIが9カ月ぶり増加
第2波懸念強まる
新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の落ち込みに歯止めが掛かった。帝国データバンク(TDB)がまとめた6月の景気動向調査(全国)で、景気DIは前月比2・4ポイント増の27・6となり9カ月ぶりに前月を上回った。テレワークや、自宅で過ごす“巣ごもり消費”がけん引役となった。ただ景気DIが低水準であることは変わらない。東京都で感染症の第2波の懸念が強まるなど予断を許さない状況が続く。
「小売り」全体は同8・0ポイント増の29・1で、改善幅は過去最大。「テレワーク用にパソコンやエアコンを購入する動き」(TDB)があり、「家電・情報機器小売り」が大幅に伸びた。「飲食料品小売り」も前月を上回り、配送などの自宅消費用が増えたとみられる。小売り以外では、「情報サービス」がテレワーク向けシステムで伸びた。
「製造」全体は同0・6ポイント増の23・6と改善したが、自動車などを含む「輸送用機械・器具製造」が同0・1ポイント減の18・1で8カ月連続のマイナスとなるなど力強さを欠く。海外でのロックダウン(都市封鎖)の影響で、輸出が低調だった。
TDBは7月の景気DIを同1・0ポイント増の28・6と予測するが、担当者は「底を脱したとは明言できない」と分析する。休業者・失業者の増加が個人消費を押し下げると懸念するほか、新型コロナの第2波到来による下振れリスクを指摘する。