コロナ禍でも物流老舗企業が240億円で5拠点新設するワケ
センコーグループホールディングス(HD)は2022年春までに、岐阜羽島PDセンター(岐阜県羽島市)など5拠点の物流施設を国内外で新設する。5拠点への投資額は計約240億円。新型コロナウイルスの感染拡大により飲食店向けの冷蔵・冷凍物流量が減少するなど影響があるものの、中長期的な需要の伸びは変わらないと判断し、大型投資を進める。同社は20年3月期に17期連続で増収を達成するなど業績も堅調に推移している。
整備するのは岐阜羽島PDセンターのほか湾岸弥富PDセンター(愛知県弥富市)、泉南PDセンター(大阪府泉南市)、岩槻物流新拠点(さいたま市岩槻区)、M―Senko新倉庫(タイ・サムットプラカーン県)の5カ所。延べ床面積は計15万平方メートルとなる。
同社はドラッグストアや大手EC(電子商取引)事業者向けの保管・物流業務増加に伴い事業を拡大。21年度までの中期経営計画で物流センターの保管面積を16年度比1・2倍の400万平方メートルまで拡大する目標を掲げており、この新拠点の整備で達成する見通し。
20年3月期の営業収益は前期比7・6%増の5700億円で、さらに中計最終年度の22年3月期に同7000億円へ増やす方針を掲げる。足元は冷蔵・冷凍物流の落ち込みや、フィットネス事業の需要減などで、経営環境は不透明感を増しているが、設備投資のペースは落とさない。
日刊工業新聞2020年7月3日