創業100年超の物流老舗企業、ロボットやAIに期待すること

福田泰久・センコーグループホールディングス社長インタビュー

 センコーグループホールディングス(GHD)は、創業100年を超える物流老舗企業として攻めの姿勢を貫く。昨今の運送業界では人手不足が懸念されるが、運営する物流施設へのロボット導入などで効率化を図る。冷凍・冷蔵物流や船舶保有も強みにし、海外進出も積極的だ。幅広い事業展開でグループの総合力をいかに高めるか、福田泰久社長に展望を聞いた。

 ―人を有効活用するため、物流事業をどう効率化しますか。
 「当社の物流センターでは搬送・仕分け作業を人手中心から自動化してきた。現在はロボットによるピッキングも研究を進める。さらなる効率化のため、複数の事業所における配車業務の一元化に取り組む。事業所ごとのトラックの車種や台数といった制約条件などをデータ化し、車に取り付けたGPS(全地球測位システム)と連携させる。AI(人工知能)を活用した自動配車も実現したい」

 ―物流以外も事業の多角化が目立ちます。
 「中期経営計画が最終年度となる2021年度に、物流事業の売上高比率を現状とほぼ同等の60%ほどにとどめる。一方で、商事・貿易やライフサポート、不動産といった新規分野を拡大する。21年度の新規事業の売上高は、16年度の46億円から600億円と一気に引き上げたい」

 ―新規事業強化の一環で、4月に不動産事業を集約した新会社を立ち上げました。
 「新会社はホテルや物流施設など不動産の建設から運営までを一貫し手がける。これまでゼネコンが開発し、当社が賃借または購入するものもあったが、今後は時間をかけ自前で土地を仕込む。10月には東京で230室規模のホテルを開業する。訪日外国人の宿泊需要を取り込み、年間約20億円の売上高を見込んでいる」

 「さらに海運事業も分社化した。貨物から客船まで船舶事業を強化するのが狙いだ。道路や鉄道の代替手段として都市間を船舶輸送できる強みを生かしたい。客船事業は東京のホテルを起点に海上タクシーも検討する」

 ―海外事業の強化策は。
 「今秋、中国へ自社物流施設を新設する。食品廃棄率が高いという飲食産業向けに、子会社ランテック(福岡市博多区)の冷凍・冷蔵物流ノウハウを生かす。台湾やインドネシアへも事業所を開設する計画だ。海外事業の売上高比率を現在の5%から4年後に10%へ、金額にして700億円まで引き上げる」
福田泰久社長

日刊工業新聞2018年5月10日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
05月13日
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子会社や船舶保有など独自のノウハウを生かした物流を展開する一方、それを支える運送業務の効率化は待ったなしだ。福田社長は「運転手は高度人材」とし、その活用を強調する。働きやすい環境整備のための、自動化に向けた技術的課題もまだ多い。これらの事業基盤の整備が、同社が目指す総合力発揮のカギとなる。
(日刊工業新聞社・中野恵美子)

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