外食産業の救世主は40代、50代のオジサン?「外食、再開したい」が半数超える
新型コロナウイルスの第二波が懸念されるものの、民間の調査では、外食を再開したい人の割合が過半を超えた。中でも40代、50代男性の外食意欲の高さが浮き彫りになっている。外食産業は、外出自粛制限もあったことで、ファストフードを除くと壊滅的な打撃を受けている。感染対策を徹底しながら、回復する需要を取り込めるか、難しい舵取りを求められる。
リクルートライフスタイルの調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が6月上旬に全国の男女約1000人を対象に調査を実施した。外食に「変わらない頻度で行くつもりだ/行っている」が全体の14・8%、「頻度を減らして行くつもりだ/行っている」が39・1%だった。合計すると50%を超えており、「当分は様子を見て外食を控える」の34・1%を10ポイント以上上回った。
年齢別に傾向も出ている。「変わらない頻度で行くつもりだ/行っている」割合が最も多かったのが、40代、50代男性でいずれも21・7%だった。
20代の男性、女性は「頻度を減らして行くつもりだ/行っている」の割合が多く、それぞれ44・2%と45・7%だった。
一方、30代、40代女性は「当分は様子を見て外食控える」と回答した人がいずれも40%を超えた。
お店選びの際の衛生面で気にするポイント(複数回答あり)は「席の間隔が空いているか」「きちんと換気がされているか」「店内の消毒が定期的にされているか」「従業員のマスク着用が徹底されているか」が男女共に上位4項目をしめた。特に女性は上位4項目いずれも選んだ人の割合が50%を超えており、コロナ禍での衛生意識の高まりがうかがえた。
4月に発令された緊急事態宣言は5月中旬から段階的に解除されたが、飲食店への客足の戻りは鈍い。
日本フードサービス協会のまとめ(208社3万8058店舗対象)では、5月の外食全体の売り上げは前年比67・8%と落ち込んだ。「持ち帰りの有無」と、「休業店舗の多少」が、業態間の明暗を分けたと指摘する。
実際、業態別では「ファストフード」は前年比90・7%と減少幅は小さい。中でも「洋風」のファストフードは同110・9%と前年を上回る。
対照的に「パブ・ビアホール」は同4・1%、「居酒屋」は同11・5%にとどまっている。
緊急事態宣言が解除され約1カ月となり、外食産業の6月の月次売上高は回復基調となる可能性が高い。ただ、調査結果にあらわれているように、消費者の衛生意識は変化している。感染防止対策をしっかりと行っていることを顧客に訴えるなど「新しい生活様式」に沿ったサービスの整備も求められる。