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アクティビストを意識?東芝が「キオクシア株」売却手取金の過半を株主還元へ

「再建を支えてくれた株主への還元姿勢を一層明確に」(車谷社長)
アクティビストを意識?東芝が「キオクシア株」売却手取金の過半を株主還元へ

右から車谷社長、取締役会議長を退く予定の小林氏

東芝は22日、キオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)の保有株式(議決権比率40・2%)を現金化した際、手取金の純額の過半を原則として株主還元に充てる方針を発表した。新型コロナウイルス感染症の収束次第だが、同社は2020年秋以降の新規株式公開(IPO)を目指している。

東芝の車谷暢昭社長は22日のオンライン会見で「再建を支えてくれた株主への還元姿勢を一層明確にした。キオクシア株式はノンコアと認識している」と新たな株主還元方針を説明した。ただ、具体的な現金化時期や方法には言及しなかった。

現状は東芝とHOYAの日本企業2社が合計でキオクシア株式全体の過半数を握っている。東芝の株式売却後の株主構成の変化が注目される。車谷社長は「今後ある種の売却が仮に起こるとしても、何か制約があるわけではない」と売却先の“日本縛り”を否定した。

また、三菱ケミカルホールディングス会長・小林喜光氏(73)の後任として中外製薬名誉会長・永山治氏(73)が取締役会議長に就く役員改選案も同日発表した。7月31日開催予定の定時株主総会後に交代する。

会見に同席した小林氏は「東芝グループが次のステップへ踏み出そうという、この時を一つのタイミングととらえ、永山さんにバトンをお渡ししたい」とインフラサービス企業としてのさらなる成長に期待を寄せた。

東芝は株主総会に向けて大株主のエフィッシモ・キャピタル・マネージメントと3D・オポチュニティー・マスター・ファンドから推薦する取締役の選任を求める株主提案をそれぞれ受けた。東芝の取締役会はどちらの株主提案にも反対を表明した。

日刊工業新聞2020年6月23日

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