キオクシア「3次元NAND型」で攻める、増産へ3000億円で新棟

5G本格化見据え

東芝メモリ四日市工場(三重県四日市市)
 キオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)は、四日市工場(三重県四日市市)に最先端3次元(3D)NAND型フラッシュメモリーの製造棟を新設する。2020年12月に着工し、22年夏の完成予定。総投資額は最大3000億円規模を見込む。20年9月に計画する新規株式公開(IPO)で調達する資金の一部も充当する。NAND型フラッシュメモリーで世界首位の韓国・サムスン電子を抜いて先端分野でトップを目指す。

 キオクシアは既存の四日市工場の近くに用地を取得し、次世代3DNAND型フラッシュメモリーを生産する「第7製造棟」を新設する方向だ。すでに社内にプロジェクトチームを立ち上げ、詳細の検討に入った。総額1500億―3000億円に上る一連の投資は、提携する米ウエスタンデジタルと分担するとみられる。

 20年から世界各国で第5世代通信(5G)サービスが本格化すれば、スマートフォン向けを中心に半導体メモリー需要が拡大する。加えて、近年の市場をけん引してきたものの一服感の出ているデータセンター(DC)向けも今後の需要回復が予想される。米中貿易摩擦などのリスクを除けば、市況見通しを楽観視する向きが多い。

 キオクシアは建設中の北上工場(岩手県北上市)が19年10月に完工する見通し。20年春から3Dフラッシュメモリー製品のサンプル出荷を始める。北上工場は四日市工場から製造設備を搬入する移設投資が中心で、最先端投資の四日市工場と役割を分ける戦略だ。

 キオクシアは当初19年内のIPOを目指してきたが、半導体メモリー市況の低迷を受けて19年4―6月期連結の当期損益が952億円の赤字と苦しんだ。IPOの時期を20年9月へ約1年先送りし、5GやDC関連を追い風に市況回復を待つ。

 IPOと同時に行う予定だった社名変更を19年10月1日に実施。新社名「キオクシアホールディングス」として心機一転し、サムスンなどライバルとの激しい競争に挑む。

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