もう学校機能の補完だけじゃない?休校で需要急増「学校向けオンライン学習」

主流になるか?オンライン学習 #3学校向けスタディサプリ

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休校が決まり、オンライン学習の利用時間が増加。しかしその中でも、特に利用が増加した機能は意外にも「コミュニケーション」だった―。(取材・昆梓紗)
 リクルートマーケティングパートナーズ(東京都品川区)が提供するオンライン学習サービス「スタディサプリ」は、個人向けだけでなく、学校向けの機能や教材を追加したサービス「スタディサプリforTEACHERS」を提供している。2500校以上の高校(中高一貫も含む)が導入している。

学生・教師間のコミュケーション機能の利用が急増

新型コロナウイルス感染症による休校が決定した後、特に多く使われたのが学生と教師がコミュニケーションをとることのできるメッセージ配信機能だ。宿題の配信や進捗確認、学生からの質問などに使用されている機能だが、宿題配信数は休校前の12倍に増加した。
 これまでは先生が生徒に個別に連絡をする際や、宿題などを郵送物で送るなど手間がかかっていたが、オンライン上ですべて完結するため、効率的になったとの声が多かったという。

宿題配信機能では、学生それぞれの学習状況も把握できる

「オンライン学習」+「教師」でより高い効果を

学生が学習に取り組んでいるかがわかる学習管理機能がある点もオンラインならではだ。休校前はリテラシーが高い教師のみに利用が偏っていたが、最近では利用する教師が増えてきたという。
 「スタディサプリの学校導入における価値は、教師の存在の有無」とリクルートマーケティングパートナーズまなび事業統括本部の桑島良美氏は話す。
 学校向けスタディサプリでも、個人向けサービスで提供されている学習動画を見ることができる。しかしオンライン学習ではどうしても受け身になりがちだ。そこに教師が介在することで学生とのコミュニケーションが生まれ、積極的に指導や個別対応、学習管理を行うことでより高い効果を発揮することができる。
 個人向けでもこの「教師」のような役割を担うオンラインの担当コーチがつく「合格特訓コース」を高単価で提供している。通常の学習プランに加え、志望校の合格に向けた学習プランを作成しアドバイスを行うなどの学習サポートがセットになっている。

「合格特訓コース」のオンラインコーチとのチャット
 「ただし個人向けサービスの利用者はもともと学習意欲が高い人が多く、自発的な学習ができる場合が多い。それ以外の層には学校で一括導入することで、意欲の低い人でも取りこぼさず対応できる」(桑島氏)。

導入に関する問い合わせが急増

もともとスタディサプリは大学受験対策の個人向けサービスとしてスタートした。しかし今後は高校生だけでなく、さらに下の学年にも利用してもらえるようなサービスの開発を予定している。自治体を通した導入も行われている。
 「導入に関する問い合わせも急増し、期待されていることを感じる」と桑島氏は話す。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、学校からだけでなく、自治体で一括導入するような問い合わせも増加している。
 一方で、利用の増加に伴いサイトの負荷も急激に高まっている。まずは教育基盤として既存のサービスを安定的に継続させること自体が重要だと考え、優先して取り組んでいるという。

従来は学校機能の補完という役割が強かったオンライン教育サービスだが、ここにきてオンラインならではの価値や、オフラインとどう組み合わせるかが重要となってきている。
 例えば個人向けサービスでは英語学習でのシャドーイングやディクテーションなど、インプットだけでなくアウトプットも強化するような機能を計画している。
 また、学校向けではオフラインのテストとその復習として学習動画を活用する取組みが行われていたが、今後は授業をよりサポートできるような機能の追加も検討している。

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COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

休校期間中の課題などは郵送でやりとりする場合が多いようですが、日々の学習状況や質問があった時にすぐに対応できない難しさがあります。オンラインではコミュニケーションが円滑になりますが、その分教師は常にメッセージが届き続ける状況になり、大変な部分もあるようです。

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