自動車関連4団体、部品メーカーの支援ファンド設立
日本自動車工業会(自工会)など自動車関連の業界4団体は10日、新型コロナウイルスの感染拡大で経営悪化が見込まれる自動車部品メーカーなどを支援するためファンドを立ち上げる意向を表明した。自工会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は「元気なグループが弱っているグループを助ける互助会のような仕組み」とし、「中小零細企業を含め日本のモノづくりをどう守るかという観点で始めるファンドになればいい」と述べた。
ファンドの規模などについて、豊田会長は「全く決まっていない。仲間が死なないように相当な規模が必要になる。1社、1業界団体でまかなえる額ではない」との認識を示した。ファンドの立ち上げ時期や資金規模などは今後検討する。
需要減に伴う生産停止などで事業環境が厳しくなる中、豊田会長は「致命傷は各社が持つ要素技術と人材を失うこと」と指摘。技術や技能を持つ人が職を失うような場合、車産業内で必要としている企業とマッチングしていく考えも示した。
また経済環境について、豊田会長は「このままでは日本経済が疲弊し、崩壊しかねない。相当厳しい現実がきている」と危機感を示した。今すべきこととしてどのような仕事でもやりながら雇用を維持し、問題が収束した後の復興期に「一番のけん引役になるべく準備を進めていくことだ」と述べた。
その他、業界4団体ではマスクの製造、隔離施設として会員各社の寮や保養施設の提供、人工呼吸器など医療機器を製造する企業に生産工程の改善を支援する取り組みなどを進める予定だ。
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日刊工業新聞2020年4月11日