クボタが産業用ディーゼルエンジン増産へ90億円投資
クボタは産業用ディーゼルエンジンで主要2拠点を中心に生産体制を増強する。製造ラインの増強などで2020年12月期に約90億円を投じる。ライン整備はエンジン主要拠点の堺製造所(堺市堺区)と堺臨海工場(堺市西区)などが中心。国内外の排ガス規制強化に伴う技術開発と新製品量産化への両面で対応できる基盤構築を急ぐ。子会社を含め製造、技術が一体化した取り組みができる新棟も設ける計画だ。
クボタは100馬力以下の産業用エンジンを主力とするが、年内に量産化する200馬力帯のエンジンと23年の量産を目指す300馬力帯で大型エンジン市場を開拓する。現状、エンジン事業の約60%を占める外販で存在感を高める狙いだ。
ただ1937年操業開始の堺製造所は住宅地にも近く、所内の大幅な改造がしにくい。このため堺製造所の一部を移管する形で85年操業した堺臨海工場での増強が中心になる見通しだ。
堺臨海工場には新棟2棟を設ける。20―21年の2年間で計28億円を投じる。概要は非公表だが、延べ床面積は計2000平方メートル規模を見込む。排ガス規制への対応強化をにらみ、エンジンの技術部門も堺臨海工場に集める。
国内でのエンジン販売を担う子会社のクボタエンジンジャパン(大阪市浪速区)が現在構える堺事業所(堺市美原区)も堺臨海工場の新棟に移す。エンジン事業部と連携したサービス強化につなげる考えだ。
クボタのエンジン事業は堺2拠点のほか、筑波工場(茨城県つくばみらい市)や中国、タイなどでも生産拠点を構えている。
日刊工業新聞2020年4月3日