トヨタ独り勝ちの自動車業績、「負け」を逃れられそうな会社

スバルは米国販売好調、スズキも主力市場のインドが好転の兆し

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トヨタの当期利益は過去2番目の水準(豊田章男社長)

乗用車7社の2019年4―12月期連結決算が13日までに出そろい、日産自動車やホンダなど5社が減収営業減益だった。世界市場が減速しているほか、円高が響いた。三菱自動車は当期赤字に転落。一方、トヨタ自動車は主に北米事業の好調が寄与して売上高が過去最高を更新し、独り勝ちとなった。今後も市場低迷が続きそうなほか、新型肺炎問題は収束の兆しをみせていない。20年3月期末に向け各社の事業環境は不透明感を増している。

19年4―12月期の各国・地域の自動車販売は、調査会社マークラインズによると米国(前年同期比1%減)、中国(同7%減)、日本(同2%減)、東南アジア(同4%減)と軒並み落ち込んだ。

三菱自は主力の東南アジア市場の減速が直撃。同期の当期損益が117億円の赤字(前年同期は691億円の黒字)に転落した。同期の当期赤字は3年ぶり。池谷光司副社長は「非常に厳しい環境が続いている」という。スズキも主力のインド市場に急ブレーキがかかった影響を受けた。

同期の為替レートは対ドルは前年同期比2円円高、対ユーロは同8円円高となった。ホンダは同期の連結営業利益が447億円減の6392億円。コスト低減や販売費抑制を進めたが、為替影響が907億円の悪化要因となりカバーしきれなかった。市場減速と為替影響が、日本メーカーの逆風となった。

その中でトヨタは好調を維持した。当期利益は過去2番目の水準。スポーツ多目的車(SUV)やピックアップトラックの販売好調でインセンティブ(販売奨励金)抑制も進み、北米事業の営業利益は前年同期比約2倍の3285億円に伸びた。北米事業は低収益が課題だったが、ディディエ・ルロワ副社長は「北米をはじめ、世界中で実施している改善活動が結実し始めた」と説明した。

今後も自動車の世界市場の低迷は続きそうで、通期予想では日産、ホンダ、スズキ、マツダ、三菱自の5社が減収当期減益。マツダは世界販売台数を前回予想比5万台減の150万台(前年比3・9%減)に引き下げた。

足元で明るい兆しは為替が円安に振れていること。トヨタは為替前提を対ドルは前回予想比1円円安の108円、対ユーロは同3円円安の121円に見直した。これを要因の一つに20年3月期の連結営業利益予想を前回予想比で1000億円引き上げた。ホンダも同様の理由で営業利益を上方修正した。

SUBARU(スバル)は米国販売が好調で売上高を上方修正した。スズキは業績予想を据え置いたが、インド市場は「好転しつつあるようにみえる」(長尾正彦取締役)と期待を示した。

足元では新型肺炎の感染拡大が収束する兆しをみせない。「影響がどう出るか、現時点では見通せない」(白柳正義トヨタ執行役員)というのが各社共通で、業績予想に織り込めていない。マツダの梅下隆一執行役員は中国販売について「春節休暇明け、間違いなく影響を受けるだろう」と指摘する。


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日刊工業新聞2020年2月14日

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