最高益トヨタを支える力、整理すると4点に集約される

 トヨタ自動車が7日発表した2019年4―9月期連結決算(米国会計基準)は、当期純利益が前年同期比2・6%増の1兆2749億円で着地し、中間期として過去最高となった。日本や北米で販売台数が堅調に推移したほか、金融事業の増益が寄与した。売上高も同4・2%増の15兆2855億円と過去最高だった。一方、会見した近健太執行役員は「車の性能向上などで原価が上昇。固定費を含め総原価の低減をさらに進める」とし、一層の体質改善が必要との見方を示した。

 本業のもうけを示す営業利益は同11・3%増の1兆4043億円と、過去2番目の水準となった。課題の北米事業はスポーツ多目的車(SUV)「RAV4」など新車販売が好調で同62・2%の増益。中国事業(19年1―6月期)は販売台数は伸びたが、為替変動などで営業減益だった。

 20年3月期見通しは、いわゆる持ち合い株の価格上昇に伴う評価益「未実現持ち分証券評価益」が寄与し、税引き前利益を前期比15・1%増の2兆6300億円(前回予想比700億円増)に上方修正した。通期の販売台数は日野自動車、ダイハツ工業などを含むグループ全体で前回予想比3万台減の1070万台とした。インドやタイなどが落ち込む。

 今後は原価改善の加速が課題。これまで年3000億円超の改善効果を出してきたが今期は約2500億円と見込む。車の高機能化に伴う原価上昇への対応力を強化する。ただ中国経済の減速や、米国の新車頭打ちなど先行きは不透明。電動化や自動運転などへの投資も利益を圧迫する。
                   

                    


日刊工業新聞2019年11月8日

中西 孝樹

中西 孝樹
11月09日
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最高益トヨタを支える力を整理すれば以下の4点だ。第1に、地域分散の高さ。業界でも特出した販売台数と利益の地域的な分散がある。第2に、商品力の高さと価格効果。上位移行が続いているなかで、なかなか良い数量と価格のバランスを維持。第3に、電動化の費用対効果の絶妙だ。HEV比率上昇とHEV 採算性の好転が続くなかで、EV投資の本格期は2022年からと負担が軽い。最後に忘れてはならないのが、徹底した経費削減努力。33万人の従業員の気持ちが緩めば経費は馬鹿でかいものになる。今は緊張感をもって 経費削減に取り組んでいる。

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