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光学技術の進化知るニコンミュージアム、人気者は「ようかん」

2015年開館、年間3万人以上が来館
光学技術の進化知るニコンミュージアム、人気者は「ようかん」

ニコンが手がけてきたさまざまな製品を展示

ニコンミュージアムには、100年を越えるニコンの歴史が凝縮されている。「来場者にカメラ以外の事業も知ってほしい」(五代厚司館長)という思いから、館内には同社が手がけてきたさまざまな製品を展示。2015年の開館以来、国内外から年間3万人以上が来館している。

ニコンの歩みを追うことで、生活や産業を支える光学技術の進化を知ることができる。初期の半導体露光装置「NSR―1505G2A」は重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録された貴重な資料。双眼鏡や顕微鏡は、創業から間もないころの製品も並べている。

同社製カメラの初号機「ニコンI型」から最新機まで歴代製品を時系列で並べたケースは人気のコーナー。多くの来館者がそれぞれの“思い出の1台”の前で足を止める。カメラに触れたり、過去のカタログのアーカイブ(保存記録)を閲覧したりできるのも魅力の一つ。19年度は「ニコンF」の誕生60年を記念した期間限定の特別展示も見ることができる。

館内には製品の他にも、光学技術について分かりやすく解説する実験装置や、ニコンの製品が活躍している現場に密着したオリジナルの映像コンテンツを上映するシアターも設置している。五代館長は「ミュージアムでは企業の姿を正しく表すと同時に、ワクワクしてもらえるように心がけている」と語る。

乗降者数が多い品川駅の近くにあるため、来場者層はビジネスマンや外国人観光客、就活生や子どもなど幅広い。進化を続ける光学技術について広く、楽しく知ってもらうため、今後も企画展や展示物の工夫を続けるという。

 限定グッズも魅力を伝える重要なポイント。中でも「ニコンようかん」は、インターネット販売の終了で話題になったばかりの人気名物。同社の魅力を味わうにはもってこいの製品だ。

「ニコンF」の誕生60年を記念したミュージアムグッズも販売

【メモ】▽開館時間=10―18時(最終入館17時30分)▽休館日=日曜日、祝日と同館の定める日▽入場料=無料▽最寄り駅=JR、京浜急行本線「品川駅」▽住所=東京都港区港南2の15の3品川インターシティC棟2階▽電話番号=03・6433・3900

日刊工業新聞2019年11月8日

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