カメラのニコンが“材料加工”の頂点を目指す理由

強みの“光”で新たな収益の柱を育てる

 ニコンは9日、馬立稔和社長(4月1日就任)の下で初となる2019―21年度の中期経営計画を発表した。21年度に8%以上の株主資本利益率(ROE)を掲げた。事業戦略としては、露光装置の製造で培った精度の高い加工技術を生かし、光を活用した独自の加工機械を投入。同加工機械を含む材料加工事業として、21年度までに最大200億円の営業利益を目指す。同日会見した馬立社長は「中計期間中にグローバル市場のリーダーシップの一角を目指す」と意気込んだ。

 新たな加工機は、精度と最小加工寸法の点で、露光装置と既存の工作機械の間の領域で新市場創造を狙う。光による高精度な小寸法の加工を実現するとした。4月には第1弾として金属加工機の受注を始めており、「引き合いが多く手応えを感じている」(馬立社長)という。部品提供を通じて顧客の需要を把握するほか、機械メーカーなど外部とも協業しながら開発する。

 カメラや半導体・液晶製造用露光装置などの既存事業も強化する。これら既存事業を中心に3年間で累計180億円のコスト減を図る。製品の販売構成の最適化なども進める。新たな収益の柱の創出と合わせ、強固な事業基盤を築く。

日刊工業新聞2019年5月10日

国広 伽奈子

国広 伽奈子
05月11日
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18年度の映像事業は減収減益。カメラ市場の縮小の影響は今後も強いと見ています。露光装置は18年度の増益を支えましたが、中期経営計画の期間は谷間になる予想。既存事業の基盤を安定させながら、新たな収益基盤として成長分野に積極的に資源を投入する方針を掲げました。材料加工分野への進出は、精密・光学技術を活用した長期的な成長に向けた足がかり。事業がどこまで広がるか楽しみです。

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