食品廃棄物から「コンバース」へ。今、フードテキスタイルが面白い

 繊維商社の豊島(名古屋市中区、豊島半七社長、052・204・7711)は、食品廃棄物を衣料などの染料に再活用する事業「フードテキスタイル」を展開している。食品製造工程から出る野菜の残渣(ざんさ)やコーヒーの出がらしなどを、特殊技術で染料化する。8月には、その染料を生地に使ったスニーカー「コンバース」が発売された。この事業を立ち上げた、八部五課チーフの谷村佳宏氏に話を聞いた。

 ―フードテキスタイルを発足したきっかけは何ですか。
 「繊維業界の過剰在庫と食品業界の廃棄ロスの問題はよく似ており、それらをなくすため、食品業界と何か一緒にできないかと考えていた。たまたまそういう話になったキユーピーからグループで『パッケージサラダ』を生産するサラダクラブ(東京都調布市)を紹介してもらったのが始まり。以降、残渣を提供してもらうパートナーは少しずつ増え、現在はカゴメやタリーズコーヒージャパン(同新宿区)など約15社・団体となっている」

 ―特に苦労したことはありますか。
 「土台とも言える染料にできる残渣探しに4年半費やした。糖分を含んでいるものや乳製品は使えず、試行錯誤の連続だった。通常業務を並行でこなしつつ、単独で動いていたため、時間がかかってしまった」

 ―その後の手応えはどうですか。
 「企業や自治体のユニホームなど、販促製品として活用してもらえる事例が増えてきた。中には、みそなど地場産業で出る残渣を利用することで地域貢献につなげるプロジェクトも出てきた」

 ―社内の反応は。
 「豊島社長からも『ぜひやるべきだ』と背中を押してもらっている。今は課の中の一事業にすぎないが、事業を拡大して、いつかは正式な部署に昇格させるつもりだ」

 ―今後の方針について教えてください。
 「海外へ積極的に売り出したい。そのため、海外のアパレル関連などの展示会にフードテキスタイルを出品していこうと計画している。『日本発の食品ロスで生み出した製品』として、どんどん輸出していきたい」
(名古屋・浜田ひかる)

<関連記事>
北陸の染色屋とスターバックス、その意外な関係

日刊工業新聞2019年10月16日

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。