日産の後任選び大詰め、やっぱり関専務が本命か
候補者面談「おおむね終了」、三菱自COOを推す声も
報酬不正問題で日産自動車の社長兼最高経営責任者(CEO)を辞任した西川広人氏の後任選びが大詰めを迎えている。今日、定例の取締役会を開く予定で、選考作業を進める指名委員会が途中経過などを報告するとみられる。現時点で候補者は3人程度に絞り込んでおり、当初予定通り10月末までに決定する意向だ。
日産は9月16日付で西川氏が社長兼CEOを辞任し現在、山内康裕最高執行責任者(COO)が、暫定社長兼CEOを務める。後任トップの候補者の面談は「おおむね終了」(日産幹部)した状態で今後、最終段階の作業を進める。1人に対する面談が複数回にわたるケースも出てくるという。「10月末まで時間的に厳しいが、テレビ電話システムなども活用して間に合わせる」(同)と話す。
有力候補の1人が関潤専務執行役員。関専務執行役員は日産の中国法人でトップを務めた後、仏ルノーと三菱自動車を含む3社の提携関係の中で生産技術のアライアンスSVPを担当するなど重要業務を担ってきた。5月には日産の「パフォーマンスリカバリー担当」に就任しており業績回復の要だ。リストラなど難易度の高い業務に当たるが、周囲の信頼は上々。「実直で若手の中で期待が大きい」(日産幹部)という。
一方、指名委の中には、「外からの目線で日産を改革し大きな変化をもたらした方が良い」との声もある。その観点で残る候補者で注目されるのは、三菱自のアシュワニ・グプタCOOだ。
ルノーや日産でも勤務経験があり、完全な外部とはいえないものの日産生え抜きにはないしがらみのない判断が期待できる。アライアンスに精通している点も強みで、「非常に優秀だ」(日産の中堅幹部)との声が漏れる。ただ「外国人幹部にありがちだが、成果を急ぎすぎるきらいがある」(業界関係者)との指摘もある。
次期トップに誰が就くかは、日産とルノーの関係見直し議論にも影響してくる。指名委メンバーにはルノーのジャンドミニク・スナール会長がいる。今のところ「ルノー側が強硬姿勢をとるようなことはない」(日産関係者)というが、日産が6月末に指名委等設置会社に移行する際の役員人事にはルノーが介入した。次期トップ選びを、軟着陸できるか予断を許さない。
(取材・後藤信之、渡辺光太)
日産は9月16日付で西川氏が社長兼CEOを辞任し現在、山内康裕最高執行責任者(COO)が、暫定社長兼CEOを務める。後任トップの候補者の面談は「おおむね終了」(日産幹部)した状態で今後、最終段階の作業を進める。1人に対する面談が複数回にわたるケースも出てくるという。「10月末まで時間的に厳しいが、テレビ電話システムなども活用して間に合わせる」(同)と話す。
有力候補の1人が関潤専務執行役員。関専務執行役員は日産の中国法人でトップを務めた後、仏ルノーと三菱自動車を含む3社の提携関係の中で生産技術のアライアンスSVPを担当するなど重要業務を担ってきた。5月には日産の「パフォーマンスリカバリー担当」に就任しており業績回復の要だ。リストラなど難易度の高い業務に当たるが、周囲の信頼は上々。「実直で若手の中で期待が大きい」(日産幹部)という。
一方、指名委の中には、「外からの目線で日産を改革し大きな変化をもたらした方が良い」との声もある。その観点で残る候補者で注目されるのは、三菱自のアシュワニ・グプタCOOだ。
ルノーや日産でも勤務経験があり、完全な外部とはいえないものの日産生え抜きにはないしがらみのない判断が期待できる。アライアンスに精通している点も強みで、「非常に優秀だ」(日産の中堅幹部)との声が漏れる。ただ「外国人幹部にありがちだが、成果を急ぎすぎるきらいがある」(業界関係者)との指摘もある。
次期トップに誰が就くかは、日産とルノーの関係見直し議論にも影響してくる。指名委メンバーにはルノーのジャンドミニク・スナール会長がいる。今のところ「ルノー側が強硬姿勢をとるようなことはない」(日産関係者)というが、日産が6月末に指名委等設置会社に移行する際の役員人事にはルノーが介入した。次期トップ選びを、軟着陸できるか予断を許さない。
(取材・後藤信之、渡辺光太)
日刊工業新聞2019年10月8日