「5G」を狙う、熱伝導性5倍の窒化アルミ充てん剤

燃焼合成が製法開発

 燃焼合成(札幌市東区、鏡好晴社長、011・776・7406)は、北海道大学の秋山友宏教授の協力を得て、外部熱源を使わない製法で窒化アルミニウムの充てん材を開発した。窒化アルミの充てん材は窒化ケイ素と比べ、熱伝導が5倍と放熱性能が高い。樹脂に混ぜることで電子機器の放熱シートとして利用。第5世代通信(5G)のスマートフォンや基地局、自動車向けなど多様な用途を見込む。

 燃焼合成は北海道大学が認定する北大発ベンチャー。窒化アルミの充てん材の製造に外部熱源を使用しない燃料合成法を採用した。特殊な条件でアルミと窒素を化学反応させると、生成熱により1200度Cにまで達して合成する。窒化アルミを50マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以上の大きさの粒子に精製し、充てん材として販売する。

 窒化アルミの製造では、炭素還元法や直接窒化法などがある。炭素還元法は1800度Cに、直接窒化法では800度Cにする必要があるが、いずれも外部熱源が必要でエネルギーがかかる。燃料合成法は自ら反応するため、省エネルギーになる。

 5Gの導入により高速大容量の情報処理が必要となり、電子機器の発熱量が増える見込み。このため熱を逃がす高性能の放熱シートの需要が伸びる可能性がある。窒化アルミの充てん材は窒化ケイ素と比べ、熱伝導が5倍と放熱性能が高い。製造コストは窒化ケイ素と比べて倍以上だが、5Gの到来で今後需要が伸びる可能性がある。

日刊工業新聞2019年7月23日

  

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