スマホで手軽に投資、「LINE証券」始動で業界勢力図どうなる?

証券最大手とLINEの子会社

 野村ホールディングス(HD)とLINEの子会社が設立したLINE証券(東京都品川区)が今秋に始動する。国内企業100社の株式を平均約3000円から売買できるようにする方針で株式投資の敷居を下げる。証券最大手とスマートフォン向けサービスの代表格が組むことで、証券業界の構図が変化する可能性がある。スマホに特化した証券サービスの競争が本格化する。(孝志勇輔)

もっと身近に


 LINE証券は対話アプリケーション(応用ソフト)「LINE(ライン)」上で証券サービスを提供する。国内企業の株式を1株単位で売買できるようにする。スマホの操作性を生かし、画面上の使い勝手やデザインにこだわる。

 LINEの出沢剛社長は「投資をもっと手軽で身近にする」と強調する。コミュニケーションのあり方を根底から変えた同社の開発力が証券市場で試される。

未経験者に照準


 野村HDにとっても、LINE証券を通じ、投資の未経験者を取り込める可能性が広がる。手軽さと低い手数料が武器のインターネット証券に若年層が流れる傾向が続く中、ラインの膨大な利用者と証券との接点を作ることができる。

 LINE証券では平日21時までリアルタイムに売買できるため、仕事帰りの会社員なども利用しやすい。店舗で直接、顧客と向き合う営業が曲がり角を迎えており、スマホやインターネットを駆使した証券サービスを加速させる。

他社の対応迫る


 LINE証券の開業により他社も対応を迫られそうだ。大和証券グループ会社は資産形成の関心が高い世代を取り込むための子会社を設立。スマホでの国内株式の少額取引に対応するサービス展開を視野に入れる。

 野村や大和などの大手がネット証券の攻勢を受ける状況で、スマホ向けのサービス競争が攻防を左右しそうだ。

日刊工業新聞2019年7月11日

  

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