耐衝撃性がCFRPの3倍に、新シート材を実現した接着技術
ハリガイ工業が開発、自動車や航空・宇宙分野の構造部品などへの応用を目指す
ハリガイ工業(茨城県常総市、小室勉社長、0297・44・7333)は、シート状の炭素繊維とゴムを接着する技術を開発した。同技術を基に炭素繊維シートをゴムで挟んだシート材料を製作。耐衝撃性が炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に比べ3倍以上になることを確認した。すでに同材料を商品化しており、高強度で軽量、柔軟といった特性を生かして自動車や航空・宇宙分野の構造部品などへの応用を目指す。
従来、炭素繊維とゴムを直接接着するのは難しい技術だった。同社は今回、ゴムや接着剤の種類、加工条件などを最適化することで、プレス成形での接着技術の開発に成功。3月までに国内特許を取得し、国際特許を4月に出願した。
炭素繊維をゴムで挟んだシート材料の厚さは最小1ミリメートル。炭素繊維とゴムは直接接着しているため、シート材料を切断しても切断面で炭素繊維とゴムが剥がれることはない。
同シート材料に重りをぶつけて耐衝撃性を検証したところ、一般的なCFRPの3倍以上の衝撃強度があることが分かった。引っ張り強度はCFRPと同等で、金属に比べ比重が小さく、柔軟性があるなどの特性がある。
ハリガイ工業は同シート材料を「炭素繊維ラバー」(CFR)の製品名で5月に発売した。400ミリメートル角のシートの価格は6500円(消費税抜き)。月3000枚の販売を目指す。
用途の開拓が今後の課題だ。関連学会などで技術をアピールしながら、自動車や航空・宇宙、スポーツ用品、建材などの業界に新素材を提案する。同社の遊佐孝彦常務は「今まで世の中にない素材だと思う。生産技術などの開発も進め、3年後をめどに事業を本格化したい」としている。
従来、炭素繊維とゴムを直接接着するのは難しい技術だった。同社は今回、ゴムや接着剤の種類、加工条件などを最適化することで、プレス成形での接着技術の開発に成功。3月までに国内特許を取得し、国際特許を4月に出願した。
炭素繊維をゴムで挟んだシート材料の厚さは最小1ミリメートル。炭素繊維とゴムは直接接着しているため、シート材料を切断しても切断面で炭素繊維とゴムが剥がれることはない。
同シート材料に重りをぶつけて耐衝撃性を検証したところ、一般的なCFRPの3倍以上の衝撃強度があることが分かった。引っ張り強度はCFRPと同等で、金属に比べ比重が小さく、柔軟性があるなどの特性がある。
ハリガイ工業は同シート材料を「炭素繊維ラバー」(CFR)の製品名で5月に発売した。400ミリメートル角のシートの価格は6500円(消費税抜き)。月3000枚の販売を目指す。
用途の開拓が今後の課題だ。関連学会などで技術をアピールしながら、自動車や航空・宇宙、スポーツ用品、建材などの業界に新素材を提案する。同社の遊佐孝彦常務は「今まで世の中にない素材だと思う。生産技術などの開発も進め、3年後をめどに事業を本格化したい」としている。
日刊工業新聞2019年6月15日