光る窓ガラス!有機LED活用で世界を目指す
日本板硝子が開発
日本板硝子は電流を流すと発光する有機発光ダイオード(LED)を組み合わせた照明ガラスを開発した。ガラス自体が照明となることで、自動車や電車、建物などの窓ガラスとしての用途が期待される。同様のガラスは業界内で珍しい。数年後をめどに市場に投入する見通しだ。
自動運転技術が確立されれば運転が不要となり、「次世代の自動車は動くリビングルームになる」(建築用・高機能ガラス事業部門のスティーヴン・ワイドナー営業・マーケティング本部長)。自動運転車の普及が“光る窓ガラス”の需要拡大に追い風となりそうだ。
同社が開発した有機LED照明ガラスは、製造工程で熱分解を活用し、ガラス表面上に透明導電膜(TCO)を成膜した。基盤とふたに導電膜コーティングを施したガラスを使用し、板ガラス自体が照明として機能する。
自動車・建築用のガラスは視界を保ちながら雨風をしのぐ従来の「静的」なガラスから、断熱や調光、発電、通信などの機能を加えた「動的」なガラスに移行しつつある。有機LED照明ガラスはこうした多機能な価値を付加できる。自動車や電車の窓ガラスなどのほか、建物のドアや天上、壁や家具(デスク、テーブルなど)への応用が可能になる。
同社は「ダイナミックなガラスの世界的普及に力を入れる」(ワイドナー本部長)考えで、数年後に発売する有機LED照明ガラスを世界的な戦略商品の一つに位置付ける方針だ。
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