食品に加圧し日持ちを向上させます!しかも栄養や味は損なわず

京都府立医大などが開発、食品ロス削減へも貢献

 京都府立医科大学の赤坂一之特任教授と京都工芸繊維大学の金折賢二准教授らは、高圧力で食品を処理し、日持ちの向上などを実現する技術を開発した。加熱と違い、たんぱく質など食品の成分に化学変化が起こらないため、生の食品の栄養や性質を保持できる。日持ちの向上により食品ロス削減への寄与が期待できるほか、野菜や酒、弁当、土産物など中小企業の商品にも応用しやすいとみており連携する企業を募る。

 食品の加圧には、全方向から均一に圧力をかける静水圧を利用する。均等に力をかけることで味を損ねず処理が可能。圧力をかけた状態で、原子レベルの構造が解析・制御できる高圧の核磁気共鳴装置(NMR)法を利用する。ポンプを使い50メガパスカルまで手動で上げた後、増圧機で500メガ―600メガパスカルまで圧力を高める。

 加熱した場合は食品を構成する分子の立体構造が変わってしまうが、加圧では体積のみが段階的に変化するため、分子の構造自体は維持され形状が可逆的となる。圧力により細菌が死滅するため、食品の性質を変えず長期間鮮度を維持できる。商品によっては従来より1週間程度長く日持ちするという。

 圧力を利用した食品として米スターバックスが販売するジュースが国際的に商業化されており、日本でも越後製菓(新潟県長岡市)がパック飯で実績を持つ。

 今回の研究グループでは、中小企業の製品の付加価値向上に貢献できるとみている。食中毒や院内感染のニーズがある病院食への応用も見込む。
生食品の栄養や性質を保持できる(圧力処理の装置)

日刊工業新聞2019年6月3日

  

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